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Aside
私は一人、アジトの前でずぶ濡れで立っていた。
片手で服の裾を絞り、もう片手で武器のはいった鞄を引きずって。
なんでも諸伏はそのまま登庁するようで、一人ポツンとアジト前に降ろされたのだ。
そんな私をキャンティが笑いながら見ている。
キャ「あはは、なんだいそのザマは」
『はろーキャンティ。ちょっと海に落ちちゃってね。運ぶの手伝ってくれない?』
キャ「あいよ。ジンのとこに行くんだろ?私もちょっと用があってね」
『任務帰りの報告?』
そう聞けば少しだけキャンティは眉を潜めた。
ちらちらと辺りを見回し、誰もいないことを確認すると、
こそりと耳元で理由を囁く。
キャ「実は任務にイラついてジンの車に当たっちまってさ。傷つけたんだよね」
『え、ジンのポルシェに!?』
キャ「ジンそれで機嫌悪いからビショップと一緒じゃないと殺されちまうよ」
肩をすくめるキャンティに、今度はこちらが笑い飛ばす番だった。
『それでコルンがいないんだ』
キャ「あいつ逃げやがったんだよ」
『そりゃ逃げるよー』
不機嫌なジンを目の前にそくそくと逃げるコルンと、
八つ当たりしてガツンと車を蹴るキャンティの姿がはっきりと想像できる。
けたけたと笑うずぶ濡れな私と、
あははと苦笑いを浮かべるキャンティ。
異様な二人組をベルモットがぽかんと口を開けながら見ていた。
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白ウサギ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!励みになります。頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (2020年12月15日 17時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白くて1話から一気読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2020年12月15日 14時) (レス) id: 0c8a00fae9 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます!絶対松田さんは待ってくれると思います! (2020年10月4日 14時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 陣平のこと大好きです!こんなに手が汚れてしまった私でも待っててくれる彼は最高です!更新頑張ってください! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ありがとうございます。更新頻度は少なくなりますが、頑張ってきいきます (2020年9月26日 1時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白ウサギ | 作成日時:2020年8月14日 15時