やり直せるのなら。４【名探偵コナン】

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Aside





キャンティの言う通り、ジンはこの上なく不機嫌だった。


彼の部屋をノックすれば無言の圧。


扉を開ければ椅子に座る銀髪がいた。


その手には愛銃のベレッタ。


靴は規則正しくコツコツと床を蹴っている。






『えーと……ジン』


ジ「……」


『任務の報告と、奪ってきた武器持ってきたんだけど』


ジ「……置いとけ」


『はーい……』





そろりと扉の横に鞄を置く。


キャンティは私の背後からちょこりと顔を出して言った。






キャ「ジン……悪かったよ。修理代なら全額だすから許しておくれ」


ジ「……」


キャ「……頼むから無言はよしてくれよ〜」






泣きつくキャンティと無視するジン。


やれやれとため息をつく。


こうなったらご機嫌取りをするしかない。


私はキャンティの肩に手を置いた。






『ねぇジン。車が治ったらまたドライブに連れて行ってよ』


ジ「……」


『ウォッカには内緒で二人きりで』


ジ「……ふん」


『デートだよ』





ぴくりと反応するジン。


キャンティに見えないようにこっそりと声を出さずに口だけを動かす。


"お父さん"


と。


するとそっぽを向いたジンだったが、機嫌がなおったのは一目瞭然だった。


キャンティがやるねぇ、と拳をぽんとあててくる。







そりゃ、ジンって意外とちょろいからね。

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