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Aside
まずい、非常にまずい。
目の前には不敵な笑みを浮かべる降谷がいて、
私には殺人の容疑がかかっている。
殺した人が多すぎてどんな事件かもわからない。
さあ、今からするべきことといえば。
『公安に捕まる前ににげるっ!』
降「あ、Aまてっ!」
空き部屋を飛び出し廊下を勢いよく曲がる。
そして階段を駆け上がって駐車場へと向かった。
車にさえ乗れば……。
ドアノブに手を伸ばしかけたが、
ふとぐいっと何かに襟元を後ろにひっぱられ、よろめき尻もちをつく。
痛みを感じなかったのは引っばった張本人の降谷を巻き込み、下に敷いているからだ。
降「お前……おもいな」
『うるさい』
いてて、と腰をさすっている降谷。
はやく彼の上からどこうとするが、がっちりと腕を掴まれる。
そしてあろうことか手錠をかけられた。
降「逮捕だ、A」
『は、えちょっと!?』
降「悪いな、あいつらから手錠かけてでもいいから捕まえてこいと命令がきている」
あいつら……つまり伊達たちだろう。
萩原と松田が伊達にパトカーださせて私を捕まえようと走り回っている姿がうかぶ。
手錠をはめられ項垂れる私に、降谷はいった。
降「警察やめてからあいつらに一度も会ったことがないんだろ?いい機会じゃないか」
『いい機会?質問攻めされるのが?』
降「そうだ、ちゃんと質問して、話し合って松田とケリをつけてこいよ」
『でも』
なおも反論しようとすると、すくっと降谷は私の前にたった。
整った彼の美しい顔が、青い瞳がぐっと近づく。
私の頬にてをすべらせた降谷は耳元で囁いた。
降「それ以上文句言ったら、口塞ぐから」
『ハニトラはきかん。ときめかんぞこのタラシ野郎』
降「物理で黙らすんだよ」
ニッコリとした笑顔の降谷の手に持たれていたのはガムテープだった。
もう逃げ場がないのは明らかだ。
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白ウサギ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!励みになります。頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (2020年12月15日 17時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白くて1話から一気読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2020年12月15日 14時) (レス) id: 0c8a00fae9 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます!絶対松田さんは待ってくれると思います! (2020年10月4日 14時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 陣平のこと大好きです!こんなに手が汚れてしまった私でも待っててくれる彼は最高です!更新頑張ってください! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ありがとうございます。更新頻度は少なくなりますが、頑張ってきいきます (2020年9月26日 1時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白ウサギ | 作成日時:2020年8月14日 15時