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ASide




ベルモットに指定されたバーに向かう。


人通りの絶えた通りのビルの地下。


普通の人はやって来ないバーだろう。


私もそのうちの一人なのだと思うと、なんだか不思議な感じだ。





「いらっしゃいませ」





扉を開けると、マスターの声が響く。


少し暗い、オシャレな雰囲気。


白髪が素適なマスターは慣れた手付きで私を案内した。


カウンターに並んでベルモットとキャンティが座っている。





『遅れてごめんなさい』


ベ「いいのよ。何を飲む?」


『そうね、まずはマスターのオススメを頂くわ』





そう言えば微笑むマスター。


キャンティはすでに飲み始めていて、ほんのり頬が赤い。


ベルモットも一口、酒に口をつけた。





ベ「今日はナイト様達はいないのね」


キ「ナイト様?ビショップはおしとやかに微笑む哀れなお姫様なのかい?」


『ナイトじゃないわ。それに私にお姫様は似合わない。どうせなら暴れたいもの』


キ「そうこなくっちゃ」


ベ「大変なお姫様を持ったものね」





彼らはナイトではない。


どちらかといえば私のほうがナイトだ。


だって彼らの命を守っているのだから。


五人のドレスアップした姿を想像する。


それだけで笑いが溢れてきた。





キ「そういえば、なんでジンの野郎がビショップのこと知ってるんだ?」


『そう、それが不思議なの………』


キ「忘れてるってだけじゃないのかい?」


『それはないわ。流石にあの銀髪は覚えてると思うんだけど…………。会った記憶はないわ』


ベ「ジンも困ったものね。まあビショップの強さは私が保証するわ、puppy」


『そうそう、レディって誰なの?』





その言葉で今までの空気が変わる。


一気に冷たくなった気がした。


これは何かある。






キ「レディのやつはもういないよ」


ベ「死んだのよ、14年前の爆弾事件でね」


『へぇ…………そんな彼女と私が似ているの?』


キ「とっても似てるさ。髪の色とか目の色、その性格もね。まるで生き写しさ!」






ドンっと空になったグラスをカウンターに強く置くキャンティ。


少なからずその表情には後悔の色があった。


まるで何かを思い出しているような。


ベルモットはそのことについて一言も喋らなかった。


何か私に都合の悪いことでもあるのか、


それとも…………。






なんにせよ、レディは組織の鍵になるだろう。



そう確信した。

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白ウサギ(プロフ) - 麗さん» 間違えだらけですみません、ご指摘ありがとうございます。修正しました。また何か誤字や不備がございましたがお手数をお掛けしますがお知らせください。 (2021年6月3日 9時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 27ページ angei 最後のスペル iではなくlだと思います (2021年6月2日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 同じく19ページ 半眼出だし 出 は不要かなと思ったのですが勘違いでしたらすみません (2021年6月2日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 19ページ メイク道化かして? の 道化 は誤字ではないでしょうか? (2021年6月2日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 15ページ 萩原だけだった日が だったら ではないでしょうか? (2021年6月2日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ x他1人 | 作成日時:2018年11月19日 0時

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