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Aside
『…………』
ポタ、ポタ、ポタ。
液体が一定数で落ちる音がする。
私はこの音をよく知っている。
点滴だ。
うっすらと瞳を開ければ、病室特有の白い天井が見えた。
ここはどこの病院だろうか。
ゆっくりと体を起こそうとすれば、全身に鈍い痛みが走る。
手足に力が入らない。
まるで麻痺してしまったかのように。
ナースコールを押すにも押せず、私はただ虚空を見つめることしかできなかった。
ごほっと咳が込み上げる。
胸にも力が入らず、上手く咳こめない。
漠然とした苦しさ。
声を出そうにも掠れた息が漏れるだけ。
ああ、私は一体何日眠っていたのだろうか。
「………A？」
なにか物が落ちる音がする。
いつの間にか開いていた病室の扉。
床に散乱する飲み物が入ったビニール袋。
黒髪の天パ、
ずり落ちたサングラスの奥に覗く、
青い瞳。
あの頃と何一つ変わらない、若いままの私の恋人。
松「A……起きてる、のか」
こくりと、頷く。
松「A……Aっ……」
もう一度、こくりと頷く。
彼の青い瞳からみるみと雫が溢れこぼれていく。
落とした荷物を放り出して、彼は一直線に駆け寄ってきた。
そしてぎゅっと私を抱きしめる。
鼻を掠める、懐かしい彼の煙草の匂い。
触れた肌から伝わる体温。
耳にかかるすするような泣き声。
息をする度に動く胸も、
震えているその手も、
何もかもが愛おしくて。
『……ただいま、陣平』
松「おかえり、A」
いつの間にか伝っていた私の頬の涙を、
陣平がくしゃくしゃになった顔で笑いながら拭ってくれる。
溢れ続けている涙が泊まることはなかった。
幸せの涙が枯れることはないから。
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あいか - どうしてくれるんですか〜！主様！私今、スマホの前でギャン泣きしてるんですよ！！最高過ぎます！！ほんと、神作品です！ (2022年4月26日 21時) (
レス) @page46 id: 899f48da7e (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 私はこの作品が好きです！！とても感動しました！心に響く名言が沢山あって凄かったです！！これからも応援してます！！ (2022年4月4日 17時) (レス) @page46 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - メープルさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。コメントが励みになってました。これからも番外編よろしくお願いします (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - のうん。さん» 応援ありがとうございます！番外編もぼちぼち更新していきます。よろしくお願いします！ (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - かるーあ・みるくさん» ありがとうございます！長い間お付き合いください感謝でいっぱいです (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白ウサギ | 作成日時：2021年6月24日 20時
