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Aside







『…………』





薄ぼけた視界でぼんやりと虚空を見つめる。


今、何時だろう。


覚醒しきらない意識を抱えながら、必死に思考を働かせる。


確か携帯で松田に私の居場所を教えて……。


その後は?


きっと気絶させられたのだろう。


意識がぼんやりとしていることも含め考えれば、睡眠薬を飲まされたのかもしれない。


遠くでパラパラパラという音が聞こえる。


なんの音だろう。


なんだか心地いい……。









裕「なんだと!?早く対応に当たれ!迎撃だ」








男の叫び声ではっと目が覚める。


私は社長室の床に手を縛られ横になっていた。


ビル内の無線に繋がっている固定電話にA裕二が顔をしかめながら怒鳴っている。


早く対応に当たれ……迎撃だ……?


迎撃、攻撃を受けている!


さっきのパラパラという音はヘリコプター……!








助けが来たんだ。








ドンッと鈍い音が響く。


屋上からこの階へ繋がる扉が破壊された音だ。


銃声と悲鳴が響く。


悲鳴を聞けばどちらが押されているのかは明白だった。








裕「くそっ……こっちへ来い!」


『くっ……』







強引に手を引っ張られ無理やり立たされる。


薬のせいか上手く体に力が入らない。


肌に冷たいものが当たる。


拳銃だ。


彼は私の背中に銃を突きつけていた。









松「Aっ!」









社長室の扉が勢いよく蹴破られる。


飛び入って来たのは松田とジンだった。


その顔ぶれに、張り詰めていた緊張が途切れ情けない声が漏れる。







『陣平……』







裕「動くな、動けばこの娘の命はない。そして馬鹿な真似をすればこのビルごとドカンだ」








A裕二は拳銃と共に何かボタンのような物を持っていた。


ドカン。


その言葉に頭が真っ白になる。


だってお母さんも爆発で……。

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あいか - どうしてくれるんですか〜!主様!私今、スマホの前でギャン泣きしてるんですよ!!最高過ぎます!!ほんと、神作品です! (2022年4月26日 21時) (レス) @page46 id: 899f48da7e (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 私はこの作品が好きです!!とても感動しました!心に響く名言が沢山あって凄かったです!!これからも応援してます!! (2022年4月4日 17時) (レス) @page46 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - メープルさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。コメントが励みになってました。これからも番外編よろしくお願いします (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - のうん。さん» 応援ありがとうございます!番外編もぼちぼち更新していきます。よろしくお願いします! (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - かるーあ・みるくさん» ありがとうございます!長い間お付き合いください感謝でいっぱいです (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2021年6月24日 20時

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