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Aside
「覗いてるだけではなく、部屋に入ってきたらどうだ」
いきなり声をかけられて、ビクリと肩が震える。
どうやら私がいることに気づいていたようだ。
今さら逃げたところで。
私はぐっと拳を握りしめ、扉を開け中に入った。
いかにもありそうな社長室だ。
壁に飾られた何枚もの賞状、契約書。
窓からは海が見える絶景。
机の上に設置されたパソコンには私が閉じ込められていた部屋が映し出されていた。
カメラでずっと見ていたようだ。
「君は随分と逞しくなったようだ」
私と同じ"A"を名乗る男は、
ゆっくりと煙草を吸いながら振り返った。
幾度と夢に出てきた彫刻のような顔。
深い陰影にどこか私に似た顔立ち。
ああ、腹が立つ。
「そんな顔をするな」
『どんな……顔をしていますか』
「憎くて仕方がないという表情」
『事実ですから』
「悲しいな。これが久しぶりに対面した親子が交わす会話になろうとは」
煙草の火種が、灰皿の上へ落ちる。
いっそ地面に落ちて欲しかった。
灰になり醜く黒い跡が残るほどに
踏みつけられたのに。
『親子だなんて、白々しい』
「そう言うな。どうしてもお前が必要になったのだ」
『子供などいくらでもいるのではないですか。母のように何人もの愛人がいたのでしょう。
ああ、そうでしたね。
血を引いた我が子をあなたは必死になって殺してきたのでしたね』
口から飛び出た言葉は、憎悪に満ち溢れていた。
同時に自虐も含まれていた。
もし私が目の前にいる父の血を引いていなかったら、
母はまだ元気に笑っていたのだろうか。
「どうしても正妻との間に子供ができなくてな」
『もうお歳ですからね』
「煽るでない。血縁の娘はお前しかいないのだ」
『だからなんですか』
「お前に会社のあとを継がせたい」
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あいか - どうしてくれるんですか〜!主様!私今、スマホの前でギャン泣きしてるんですよ!!最高過ぎます!!ほんと、神作品です! (2022年4月26日 21時) (レス) @page46 id: 899f48da7e (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 私はこの作品が好きです!!とても感動しました!心に響く名言が沢山あって凄かったです!!これからも応援してます!! (2022年4月4日 17時) (レス) @page46 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - メープルさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。コメントが励みになってました。これからも番外編よろしくお願いします (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - のうん。さん» 応援ありがとうございます!番外編もぼちぼち更新していきます。よろしくお願いします! (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - かるーあ・みるくさん» ありがとうございます!長い間お付き合いください感謝でいっぱいです (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白ウサギ | 作成日時:2021年6月24日 20時