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伊達side






ドンっと鈍い音と共に、左肩が誰かに当たる。


右を歩いている萩原では無い。


では一体……。


恐怖にも似た勘が働き、俺は咄嗟に後ろに飛び退く。








伊「っ、避けろ!」







半歩遅れて後ろに下がった萩原の頬には一筋の赤い線が出来ていた。


ぶつかった相手が振りかざしたナイフだ。


敵意を感じ取ったのはこちらも相手も同じ。


敵襲、と仲間に叫ばれる前に相手を始末しなければ。


しまいかけていた拳銃を構える頃には、敵の蹴りが襲いかかってくる。







萩「伊達!」







視界の端で萩原が叫ぶのが見えたが、もう一人の敵に襲われている。


二対二、もつれたいながら廊下を後退していく。


こんな至近距離で発砲すれば、萩原に当たる危険性もある。


とにかく体勢を立て直さなければ。


相手はなかなかの強者だった。


直感でこいつらがAを攫う手伝いをした傭兵だと確信する。


どうやら暗器を多く所持しているらしく、ヒュンと何本ものナイフが飛んでくる。







伊「くっ……」







そのうちの一つが拳銃のボディに刺さる。


これではもう使えない。


意を決した俺は距離をとるのをやめ、得意な柔道の技をかける。


相手を投げ飛ばし壁に叩きつけ、首を締め上げる。


ようやく相手が脱力するのを感じ、顔を上げれば随分と離れたところで萩原が戦っているのが見えた。


これといって武器を持っていなかった萩原は、爆弾を解除するための工具で応戦している。


やはり限度があるのか押され気味だ。


駆け寄ろうとしたその時、敵が懐から何かを取り出す。







拳銃だ。








伊「は、萩原っ!」







この距離では庇うに庇えない。


思わず顔を顰めた瞬間、







一筋の光線が敵の拳銃をはねる。






何が起こったのかわからぬまま、戸惑う敵を一気に制圧。


二人の男が完全に気絶したのを確かめ、腰を抜かしたまま廊下に座り込んでいる萩原の元へ駆け寄った。


一体何が起こったのか。









萩原が眺めている窓には一発の銃弾が通った穴があいていた。

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あいか - どうしてくれるんですか〜!主様!私今、スマホの前でギャン泣きしてるんですよ!!最高過ぎます!!ほんと、神作品です! (2022年4月26日 21時) (レス) @page46 id: 899f48da7e (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 私はこの作品が好きです!!とても感動しました!心に響く名言が沢山あって凄かったです!!これからも応援してます!! (2022年4月4日 17時) (レス) @page46 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - メープルさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。コメントが励みになってました。これからも番外編よろしくお願いします (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - のうん。さん» 応援ありがとうございます!番外編もぼちぼち更新していきます。よろしくお願いします! (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - かるーあ・みるくさん» ありがとうございます!長い間お付き合いください感謝でいっぱいです (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2021年6月24日 20時

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