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ジンside








とある組織の幹部である男の部屋の前。


扉を蹴飛ばし、鍵ごと壊して部屋の中へ突入する。


その男は上裸でどうやらシャワーを浴びたばかりのようだった。



いきなり入ってきた俺を見るなり、その男は背を向けて逃げ出そうとする。



愛銃、お前の出番はもっと早くに来たようだ。








「ぐっ……!」








トリガーを引いた銃口から発射された弾は、見事に男の右肩を貫通する。


ぐらりと傾き崩れかけた体を押し倒し、


傷口を足で踏みにじる。


痛みで悲鳴をあげる男の顔を睨みつけた。








ジ「久しぶりだな、"シャーリー"」


「くっ……なんの用だジン」


ジ「貴様の方がよくわかっているだろう。ビショップをどこへやった」


「なんのことやら……」


ジ「シャーリー、やけに上品なピアスを身につけているな。ビショップを売り飛ばした金で手に入れたんだろう。金の動きを見ればすぐにわかる」






しばらく抵抗を続けていたシャーリーだったが、出血により気力がなくなったのか抗うことをやめた。


彼はベッドを指さした。






「あそこに俺の携帯がある。知っているのは雇い主の携帯番号だけだ」


ジ「十分だ」




「……ジン、ひとつ警告する。あの女が組織に来てからお前は変わった。平気で何人も人を殺してきた冷たい目に温もりが宿り、腕も落ちたんじゃないか。

徹底主義に空いたその穴がいつか仇となる……」






ジ「……余計なお世話だ」






その言葉に軽蔑の笑みを浮かべた男の眉間に、


銃口を向ける。


引き金を引いた後は、額に穴があいた死体が転がるのみ。


死んだ者の名前は忘れる。


彼も等しく。








唯一忘れられない名前は、









ただ一人の女性だけ。









彼女が残した遺産を守ることが俺の使命なのだから。

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あいか - どうしてくれるんですか〜!主様!私今、スマホの前でギャン泣きしてるんですよ!!最高過ぎます!!ほんと、神作品です! (2022年4月26日 21時) (レス) @page46 id: 899f48da7e (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 私はこの作品が好きです!!とても感動しました!心に響く名言が沢山あって凄かったです!!これからも応援してます!! (2022年4月4日 17時) (レス) @page46 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - メープルさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。コメントが励みになってました。これからも番外編よろしくお願いします (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - のうん。さん» 応援ありがとうございます!番外編もぼちぼち更新していきます。よろしくお願いします! (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - かるーあ・みるくさん» ありがとうございます!長い間お付き合いください感謝でいっぱいです (2021年9月5日 22時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2021年6月24日 20時

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