検索窓
今日:99 hit、昨日:43 hit、合計:828,817 hit

71 ページ22

ASide





気がつくと、今度はしっかりと体の重みを感じた。


鉛くらいに重い。


ゆっくりと目を開けるが、霞んでよく見えない。



けども隣に誰かがいることはわかった。





『っ………………』



?「ん?ああ、気がついたのか」





声で男性だとわかった。


どこか懐かしくて、聞き覚えのある声。


ひんやりと冷たい手が視界を遮る。


気持ちいい……………。






?「Good night, my dear little child.」






え?お父さん…………?


その手を退けて確かめたかった。


けど体に力が入らない。


それに眠気が襲ってくる。


やだ、寝たくない。


そう思うが意識は遠のいていった。









『…………ん』


明るい日差しで目が覚める。


今度はしっかりと目が開いた。


アジトの私の部屋だ。


お腹には包帯がきつく巻かれている。


そういえば撃たれたんだっけ…………。


枕元にあったスマホを何気なく手にとった。








『…………え?』







そこに表情されていた日付に驚く。


11月7日。


萩原の命日じゃないか!


そんなにも眠っていたなんて。


あれ、実際にはこっちが夢の中なのか?


ああもう、紛らわしい!


私はそのまま部屋を飛び出した。


傷が痛むが構ってられない。


萩原を救わなくては!






ジ「おい、どこに行く」


『っ!』





ジンの声に足を止める。


そろりと振り向けば、かなりお怒りのジンが立っていた。




ジ「傷は」


『大丈夫』


ジ「お前の大丈夫は信用できん。寝てろ」


『どうしてもやらなくちゃいけないことがあるの!お願い、行かせて』


ジ「………………………」


『……………お願い』






また萩原を失いたくはない。


助けなければ。


その時、目の前が真っ暗になった。


顔に布がかかっている。


手で手繰り寄せてみると、いつもジンが来ているコートだった。








ジ「寒いからそれを着ていけ」


『!…………ありがとう』






ジンのことは血も涙もない奴だと思ってた。


けどその優しい行動に人間らしいさが溢れ出ている。



………本当はいいやつなのかもしれない。

73→←70



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (398 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1075人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

sou(プロフ) - 運命が決まるのって11月7日ではないのでしょうか? (2022年3月20日 13時) (レス) @page4 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 終わり...なんですか!?めっちゃ面白いです更新楽しみにして待ってます!頑張ってください! (2020年5月16日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
飾り物。(プロフ) - か、か、、完、、結、だと?! (2020年1月4日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続きみたいです( ; ; ) (2019年10月11日 20時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きをください!お願いします。 (2019年6月18日 18時) (レス) id: 14e676a59f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白ウサギ x他1人 | 作成日時:2018年12月4日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。