反省 ページ36
『こんなものか…』
A様に言われて洞窟の外に出て、木の実を持ってきたものの、正直こんなに要らないように思える。
食べ物に困ったこと無いし…
『でも捨てるのは生き物への冒涜だし…ん？』
雷使はふと、耳を立てた。
聞きなれない刃物の音がする。
日は暮れたというのに、誰だろう。
警戒心を強めながら、そっと音のなる方へとジリジリよっていく。
気配を消すのは得意である。
龍斗と生永以外に見破られたことはない。
そんな風にして音の発生源を確かめようと、少しずつ移動する。
草むらを音を抑えてかき分けると、そこには。
『鋭姫…！』
ひたすらに木を切り刻む鋭姫がいた。
ゴロンと虚しく根から切られた大木が転がっている。
鋭姫はそれを、何度も何度も切り刻んでいた。
鬱憤散しとか、刃を研いでいるのか、そんな事は分からない。
ただ、悲しそうに顔を歪めてそれを抑えるかのようにひたすら切っていた。
…一人にした方がいい。
雷使は、そこを去って行った。
木の実を、差し入れとして鋭姫の足元へと転がしてから。
ーーーーーーーーーーーー
『ごめんなさい。』
出会ってすぐに、鋭姫は謝った。
昨日は本当に悲しかったが、それは自分の所為だと思い直し、キチンと反省した。
「鋭姫、こちらに来なさい。」
震える足取りで、主へと寄る。
「もっと近くに。」
命令に従うと、主はぎゅっと抱きしめてきた。
『あ、主…』
「懲りたら、もうやってはいけないよ。」
朝日が昇り始めたのだろう、光が辺りを照らす。
私は東を向いていたので、眩しくて思わず主の肩に顔を埋めた。
何でだろう。
涙が出た。
昨日のような、悲しみの涙ではない。
守られている、嬉しみの涙。
ああ、やっぱりこの方は私の主だ。
『ごめんなさい…』
「反省してるのなら、もう大丈夫よ。」
優しい人。
朝日の金色の光が、鋭姫の涙を照らしていた。
首から下げたペンダントが、カランと心地よい音を立てた。
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りんりん - ポケモン好きです!しかもこういうものすごく好きです!続きが楽しみです!頑張ってください (2015年2月19日 20時) (
レス) id: 1f794fc8d4 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 嘘ツキデ偽善者ナ道化師さん» お久だね！更新はちょこまかやっていくから、時々読みに来てくれると嬉しいです♪ (2014年3月23日 23時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
嘘ツキデ偽善者ナ道化師 - 四夜、お久しぶり(^∀^ﾉｼ 読んだら凄く面白かったよ！これからも更新ガンバ(^∀^Ь (2014年3月23日 8時) (レス) id: 88ed693743 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - アリスさん» 有難うございます！頑張りますね。 (2014年3月22日 18時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 面白いデス。続きが気になりマス。 (2014年3月22日 17時) (レス) id: 46e25d4271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四夜 | 作成日時：2013年10月28日 19時
