無表情 ページ34
さあ、やっとこいつに罪の罰を下すことが出来る。
さっきはよけられてしまったが、今度は逃がさない。
あいつはコイキングみたいに跳ね上がって、頭を打ったようだ。
バカな奴め。
ハイスピードで近づくと、ルチャブルは恐ろしいものを見たかのように動かなくなった。
好都合。
さあ、裁断をその身で受けるがいい。
勢いに任せ、ブンッと刃を振り下ろした。
…はずだった。
『何これっ…！』
体が動かない。
何者かに抑え込まれているよう。
体を捻じって抜けようとしても、そもそも捻じることができない。
『くそっ！』
必死に暴れて抜けようとしても、抜けられない。
この感触。
この感覚。
次の瞬間、鋭姫は全てを悟った。
反射に任せて、勢い良く後ろを振り向いた。
そこには、《サイコキネシス》を発動させた、主がいた。
サイコキネシスを発動している印の、青白い瞳が爛々と煌き、私に恐怖を与えた。
相当怒っていらっしゃる様だった。
「鋭姫、おやめなさい。」
『…！で、ですが、こいつは主を…』
「いいから、おやめなさい。」
その言い方には、怒りが含まれていた。
『…はい、主。』
その瞬間に鋭姫は技から解かれて、ドサッと重力が戻ってくる。
それになんとか耐えると、そのまま主の元へと戻った。
「ごめんなさい、コルニさん、今日は帰るわ。」
終始ただ呆然としていたコルニに、そう主は声をかけた後、歩き出した。
私は、その後ろ姿を見上げてついて行く事しか出来なかった。
ーーーーーーーーーーーー
「…鋭姫。」
『なんでしょうか。』
再びあの洞窟に戻ってきた。
やはり、この洞窟は落ち着かない。
「何故、私が怒っているのか、分かる？」
『…我を忘れて暴れ回ったから。』
当たり障りない答えを呟いた。
「半分正解。半分不正解。」
『では、もう半分とは？』
すると、主は此方へ目線を寄せた。
その顔は無表情で、怒っているようにも悲しんでいるようにも見えた。
「それが分からないから、貴女は子供なのよ。」
『どういう意味ですか、それは…！』
突然のこと。
主が、私を殴ってきたのだ。
私はよけることが出来ずに、鏡の壁へと叩きつけられた。
主の顔は、激怒した時の顔へと変わっていた。
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りんりん - ポケモン好きです!しかもこういうものすごく好きです!続きが楽しみです!頑張ってください (2015年2月19日 20時) (
レス) id: 1f794fc8d4 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 嘘ツキデ偽善者ナ道化師さん» お久だね！更新はちょこまかやっていくから、時々読みに来てくれると嬉しいです♪ (2014年3月23日 23時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
嘘ツキデ偽善者ナ道化師 - 四夜、お久しぶり(^∀^ﾉｼ 読んだら凄く面白かったよ！これからも更新ガンバ(^∀^Ь (2014年3月23日 8時) (レス) id: 88ed693743 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - アリスさん» 有難うございます！頑張りますね。 (2014年3月22日 18時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 面白いデス。続きが気になりマス。 (2014年3月22日 17時) (レス) id: 46e25d4271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四夜 | 作成日時：2013年10月28日 19時
