食害男⇔偏食女／zm ページ24
「食え」
『ヤダ』
「いいから食え」
『絶対にヤダ』
数十分は続いているこのやりとり
会社の同僚同士であるAとゾムは居酒屋に来ていた。
お互い疲れた身を伸ばそうと足を踏み込めたのは良いものの、注文を頼んでからの雰囲気はかなりギスギスしていた。
「お前な…マジで早死にするぞこのままやと」
『アンタこそ食べ過ぎで胃腸の病気とかになりかねないわよ？』
険悪な視線で両者睨み合う。
様々な料理が並ぶテーブル、だがAは枝豆やシーザーサラダにしか手をつけていなかった。
「じゃあ何が好きなん？」
『珈琲、野菜、果物いじょう』
「肉食えや！」
『食べなくても生きれる』
そう、Aは超のつく偏食家なのだ。対するゾムは食害と言われるほど食べる男
お互い正反対の食生活をする同僚だったのだ。
「そんなんやからお前そんな痩せてんねやろ？会社でもよう貧血でふらふらになってるやん」
『…それはただの仕事疲れのせいよ。あんまり首突っ込まないで、鬱陶しいから』
こっちは心配して言ってるのにそんな冷たい返しをされては気分が悪い。ゾムは顔を顰めて自分の箸で肉料理を挟んだ。そしてAの前に差し出す。
『……何よ』
「黙って口開けろ」
『要らない。胃がもたれる』
変わらない態度にゾムは舌打ちをして、グッとAの口に指を押し込んだ。
『！？ちょっ…！』
考えもしなかった行動にAの口はあぐりと開く。その隙を狙ってゾムはそこに肉料理を放り込んだ。
『んぅ…んぐっ…！』
「吐き出そうとすんなよ。よく噛んで飲み込め」
苦しそうにもがくAだが男の力には勝てない。いやいや咀嚼をすれば味わいたくなかった豚の風味がふわりと広がる。
『っ……うぇ…』
「美味かったやろ？」
『吐き出したいくらい不味かったね…！』
ニヤリと笑みを浮かべたゾムにせめてもの反抗で睨みながら皮肉を言った。
彼も今私が食べさせられた肉料理をひょいひょいと皿に盛っている。
「まあ、少しずつでも食べていけるようになれよ。その方が体にも絶対ええし、それに…」
『…それに？』
「俺と間接キス、出来て良かったやん？」
笑みを崩さず、ゾムは私の口に押し込んだその指を妖艶に舐めとった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 371人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
４６猫 - サチさん» 狂気山脈の動画見た瞬間にこれは書かなくちゃと思い書きました(笑)鬱シャオファンなら見ないと損ですよね！！ (2018年9月2日 14時) (
レス) id: 5195f6436a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - すこ、狂気山脈まで！ (2018年8月28日 3時) (レス) id: 31e0349143 (このIDを非表示/違反報告)
４６猫 - ミーさん» 心優しいコメント、本当にありがとうございます！こういったコメントは励ましになるのでこれからも頑張ろうって気になれます。是非是非他のお話も楽しんでいただければ光栄です！ (2018年2月28日 10時) (レス) id: 2e15f71a6c (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 内ゲバパロとても面白かったです!!これから他のお話も読ませて頂きます(*^-^*)応援しています♪ (2018年2月27日 18時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
４６猫 - 硬いパンさん» こんな自分勝手な作者の作品を見てくださって本当にありがとうございます(/ _ ; )作者自身、パロディ物が大好きでいつかこういうのを書いてみたいなと思い実現させてみたんです！ (2017年11月13日 17時) (レス) id: 22100487fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：４６猫 | 作成日時：2017年5月7日 13時
