続き ページ16
Aの死から1週間がたった日の真昼
俺はグルッペンに呼び出された。
「…なんか用か？」
「お前に渡したい物があってな」
スッと、グルッペンは表情を変えないまま1枚の手紙を俺に差し出した。
その手紙は年季がはいっていて、かなり前に書かれた物だと想定出来る。
「なんや、これ？」
「Aからの手紙だ。しかもお前宛にだそうだ」
「！！」
「先日、トントンがAの部屋を片付けていた時のことだ。机の引き出しの奥に、この手紙が挟まっていたと言っていた。……ちなみに俺もトントンも中身は見てないゾ」
声もろくに出せず、あまりの驚きに体温をなくした手が震えてその手紙を受け取る。
…微かに、Aの匂いがする。
「……読んでやれ、Aの為にも。Aの目の前でな」
「っ……グル氏、ありがとうなっ！」
グッと180度回転して、走ることが禁止されている総統室を全力で駆け抜けた。この時もグル氏は目を瞑ってくれたらしい。
「……待っててな、A」
やってきたのは我々だの基地から少し離れた場所にある墓場
そこの真ん中にある大きな墓石はまさしくAのもので
辺りにに咲く花に色とりどりの蝶が舞っていた。
「…………」
Aの墓の前で手を合わせて、数秒間目を閉じる。こうするだけで、Aがそばにいてる気がしてくる。
「……読むか」
ポケットにいれていた手紙を取り出し、俺らしからぬ封を丁寧に開けていくと、中にはぎっしりと文字で埋め尽くされた便箋が1枚はいっていた。
大切なライバルであるシッマへ
この手紙を読んでるってことはもう私は死んじゃった後だね。
ごめんね、病気のことずっと黙ってて。私、シッマには絶対に知られたくなかったの。
シッマは私が辛い時、悲しい時、ずっとそばにいてくれた。ずっと隣にいて励ましてくれた。
だから、私が治らない病気だって言ってしまえば、もうシッマの笑顔は見れなくなっちゃうかもって思ったんだ。
そう考えたら…絶対に言いたくないって思った。
だって私はシッマの笑顔が大好きだから。太陽みたいにキラキラ笑う笑顔
真っ暗な夜でもシッマが笑えば、とても明るく見えるの。
だから、私からの最後のお願い
私が死んだ後でも、ずっと、その笑顔でいてください
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 371人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
４６猫 - サチさん» 狂気山脈の動画見た瞬間にこれは書かなくちゃと思い書きました(笑)鬱シャオファンなら見ないと損ですよね！！ (2018年9月2日 14時) (
レス) id: 5195f6436a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - すこ、狂気山脈まで！ (2018年8月28日 3時) (レス) id: 31e0349143 (このIDを非表示/違反報告)
４６猫 - ミーさん» 心優しいコメント、本当にありがとうございます！こういったコメントは励ましになるのでこれからも頑張ろうって気になれます。是非是非他のお話も楽しんでいただければ光栄です！ (2018年2月28日 10時) (レス) id: 2e15f71a6c (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 内ゲバパロとても面白かったです!!これから他のお話も読ませて頂きます(*^-^*)応援しています♪ (2018年2月27日 18時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
４６猫 - 硬いパンさん» こんな自分勝手な作者の作品を見てくださって本当にありがとうございます(/ _ ; )作者自身、パロディ物が大好きでいつかこういうのを書いてみたいなと思い実現させてみたんです！ (2017年11月13日 17時) (レス) id: 22100487fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：４６猫 | 作成日時：2017年5月7日 13時
