【アルスマグナ】 Train 2【泉奏】 (ページ15)

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story 63 ～ウィトside～ページ15

奏先輩に伝えるだけなのに、なんだか無駄に緊張してしまった。

でも奏先輩……動揺してるな！

てことは……奏先輩も、A先輩のことが好きだったりして！

泉「……パク、とりあえず落ち着いてください」

ウ「はいっ！」

泉「……いつからですか？」

ウ「昨日からです」

泉「昨日？！……何かしましたっけ」

奏先輩らしからぬ反応を見せた。

ウ「へ？あ、昨日お見舞いに来てくれたんですよ」

泉「昨日お見舞いに……Aさんのことですか？」

ウ「そうですよ？」

奏先輩は溜息をついた。……なんで？

泉「……国語をしっかりと学び直してください」

ウ「えっ？……僕なんか変なこと言いました？」

泉「言いましたよ……」

奏先輩が呆れたように言った。

ウ「僕、なんて言ったんですか？」

泉「覚えてないんですか？」

ウ「はい」

だって僕、しっかり『A先輩のことが好き』って伝えたつもりだし？

泉「意味的には……俺のことが好きって言ったことになってますよ……」

ウ「ふぇっ？！」

どこですれ違ったのだろう。僕ちょっとわからないや……。

泉「パクが『奏先輩……好きなんですっ！』って。言葉が足りませんよ」

ウ「あっ……」

そこだったのか。納得納得。

泉「……で？相談とは？」

ウ「あ、そうそう。……僕、A先輩のこと好きになっちゃいました」

泉「……はい」

ウ「……どうしましょう」

泉「知りませんよ」

奏先輩にピシャリと打ち切られてしまった。

ウ「えぇっ！冷たい！」

？「何々ー？面白い話ー？」

誰かの声がして振り向くと、そこに立っていたのは先生だった。

泉「……人生経験豊富な方がいらっしゃったところで、俺は失礼します。先生、プリントはそこに置いといたので」

ケ「はいよー。で、パク。話は大体聞いてたぞ」

ウ「えぇーっ？！」

盗み聞きとか悪趣味すぎる。

ケ「あいつのどこに惹かれたんだ？」

ウ「どこって……笑顔とか、優しいところとか……お姉さんなところ？」

ケ「そっか。じゃあ、これからどんどんアプローチしてかないとだな」

アプローチって何すればいいのかわからない。

ウ「僕何すればいいかわからないです……」

ケ「ほんっと初心者だなぁ。いいか？まず話しかけるところから始めるんだ。それで少しずつでもいいから仲良くなっていけばいい」

ウ「……わかりました！」

ケ「じゃあ授業始まるから教室戻りな」

ウ「はーい！」

なんだかんだ言って、結局アドバイスしてもらっちゃった。