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「いや、本当に助かった。
お前が助けに来なければ死んでいた」
「織田A。
"何があろうと絶対に人を殺さない信条を持つ奇妙なマフィア"」
太宰がやれやれ、という風に首を横に振った。
「その面倒な信念のせいで組織内で使い走りみたいに扱われるのだよ、A。
あれだけの腕があるのに__」
私は黙って首を振った。
「その手の苦情は自己嫌悪でもう何万回も承っている。
それよりこの襲撃者だ」
私は倒れている襲撃者を視線で示しながら云った。
「安吾の部屋で狙撃されたって?」
私は手短に宿泊亭での出来事を話した。
太宰は黙って聞いていた。
「成る程ね。
多分その狙撃銃は、うちの武器庫から盗んだものだろう」
一通り聞き終わると、太宰は云った。
「そいつの腰を見てみるといい。
旧式の拳銃を提げているだろう?」
それで私は地面に倒れた二人の襲撃者を見た。
襤褸に隠れて見えなかったが、どちらも旧式の拳銃を腰に納めている。
発射口の絞られた灰色の拳銃。
「こいつは随分古い欧州の拳銃でね。
連射性と精度がお粗末だから、この狭い路地で撃ち合うには不向きだ」
太宰は死体から拳銃を取り上げ、興味深そうに眺めた。
「おそらくは、この拳銃は彼等にとって徽章のようなものなのだろう。
自分たちが何者か示す為の」
どうやら太宰は襲撃者について、私よりも多くを知っているらしい。
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織田作之助
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ミュウ=ムー(プロフ) - 教えてくださり、ありがとうございます。 (2018年9月20日 19時) (レス) id: 1429768fb6 (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - オリジナルフラグははずさないといけませんよ。違反行為なので (2018年9月20日 19時) (レス) id: 8d50bc542b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皇帝ペンギンM← | 作成日時:2018年9月19日 21時