47 ページ48
*
襲撃者は右手で拳銃を構えていた。
左手は動かないらしく胴体の横に垂らされていた。
自力で立つ力はないらしく、壁に半分体重を預けている。
それでも、太宰は拳銃の射程圏内にあった。
こちらは下手に動けない。
「おやおや」
太宰は珍しいものを見るような目でその拳銃を見た。
「あれだけ撃たれて立ち上がるなんて、驚異的な精神力だね」
二人いた襲撃者のうち、一人は完全に絶命し倒れていた。
そしてもう一人は最後の力を振り絞り、太宰を道連れにする事を選んだらしい。
「太宰、じっとしてろ。
私が何とかする」
私はそろそろと拳銃に指を伸ばした。
一瞬の時間があれば灰色の銃撃者は太宰を撃つだろう。
完全に太宰に向けて拳銃が構えられているため、たとえ私が襲撃者の心臓を撃ち抜いたとしても、衝撃で旧式銃のトリガーが引かれるかもしれない。
タイミングが全てだった。
そこに賭け金を載せるのは気が進まなかった。
だが他に賭ける場所はない。
「君達の組織の名は"ミミック"だ。
そうだろう?」
太宰は襲撃者に向けて云った。
襲撃者は答えなかった。
表情ひとつ変えなかった。
*
ラッキーアイテム
包帯
ラッキーキャラ
織田作之助
30人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミュウ=ムー(プロフ) - 教えてくださり、ありがとうございます。 (2018年9月20日 19時) (レス) id: 1429768fb6 (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - オリジナルフラグははずさないといけませんよ。違反行為なので (2018年9月20日 19時) (レス) id: 8d50bc542b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:皇帝ペンギンM← | 作成日時:2018年9月19日 21時