あの時の、憎しみを ページ48
『あぁ…』
「ん。起きたんか」
『ゾム…。ごめん。迷惑かけたみたいだ…』
見覚えがある。ここは多分医務室。
あのまま倒れた私を運んでくれたんだ
「起きたか。A」
『っ…！グルッペン…みんなも…！』
落ち着いてあたりを見回せば幹部が勢揃い
な、なんだなんだ。
「少しお前のことを調べさせてもらった。」
『…は？』
「その上で、いくつか質問がしたい」
『………分かった』
有無を言わさない雰囲気。断れるはずもない
頼みのナイフは手元にない。多分取られた
頷くしか、選択肢は無かった
「まず一つ目。お前は本当に人間か？」
最初からぶっ込んできやがる…。ほんとにこいつは心が読めない
そして、答える以外の選択肢はない
『…違う』
「やはりか。なら、お前は何者だ？」
『………大罪人だよ。天界の神王、慈愛と嫉妬の女神ヘラの実の孫だが、羽を折られ地に落ちた天使だ』
「天界の神王の孫…ですか。…ならなぜ人間の世界に？それに、なぜ自分は人間と言い張ったんですか？」
いつもよりずっと真剣な目で聞いてくるエーミールさん
だけど、私には目を合わせる勇気がなかった
『…天界では、清らかな人間の魂を食べては行けないんだ。だけど……それなのにも関わらず私は何百人もの魂を食べた。
それがバレてね、ホントだったらずっと重い罰が下るところだったんだけど…神王の孫ってことで、記憶を封じて人間の世界で時期神王…いや、今は現神王かな。女神ヘラの監視の元人間の世界で、二度と飛ぶことのなくなる生活という刑が下った
だけど…前神王が早くに亡くなって、おばあちゃん…あのくそババァが神王を継いだ
その時に私の存在が邪魔だったんだろうね。私の羽を片方もいで、物理的に二度と飛べない体にして、自分はさっさと天界に帰って行ったよ。
もちろん記憶は封じ込まれたまま。何が何だか分からないまま、おばあちゃんが死んだなんて勘違いして…そのあとはご存知の通りだ』
「そうして、また、この世界へ帰ってきた…」
『超級の本を読んで、あのくそババァが生きてると知った。自分が何者なのかもね。ここに来た時はほんとに自分は人間だと思ってたよ』
「…今の話を証明できるものは…あるめう？」
怪訝そうに聞いてくるオスマン
そりゃそうか。ま、おとぎ話レベルで珍しい話だもんね
なら…
『これなら、分かってもらえる？』
バサッと広げた片方しかない天使の羽
その羽は半分ほど、黒く染まっていた。
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pandapanda216(プロフ) - これの続き見たい (2021年2月18日 14時) (
レス) id: 9fe8803e94 (このIDを非表示/違反報告)
有(プロフ) - これの続き（？）のpi君の奴最高ですね！！！！既に！！ (2019年8月10日 22時) (レス) id: 809a57d1b1 (このIDを非表示/違反報告)
音斬湊(プロフ) - 最終回だった…取り敢えず完結おめです！続き読みたいです！番外編か続編希望です！！ (2019年8月10日 10時) (レス) id: e231a66eea (このIDを非表示/違反報告)
有(プロフ) - うわお。まさかの最終回。有難うございました。ほんとに。 (2019年8月10日 9時) (レス) id: 809a57d1b1 (このIDを非表示/違反報告)
yoru(プロフ) - 面白い！足りない！もっと続きが読みたい！！続編希望めう！！！ (2019年8月9日 15時) (レス) id: 9724c84fb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リラ | 作成日時：2019年6月4日 20時
