今でも大切に想ってる。＊岩田剛典

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剛典Side



『明日Aと出かけるんですか？』


絶対Aは渡したくない


広臣「えっ？メンバー誰にも言ってないけど
　 なんで知ってるの？」


臣さんは驚いた顔をして言った



『Aに聞きました』

広臣「岩ちゃんまた呼び捨てになってるから」



昔の関係を知られようが

もう俺にはどうでもいい



『俺昔からAって呼んでるので』

広臣「は？岩ちゃんどうしたの急に？
　 そんな冗談いいからさ、練習戻るよ」


俺の言ってることを全然相手にしない臣さん


『嘘なんかじゃないです、
　俺とA昔2年間付き合ってたので』


少し大きな声でそう答えた

俺はまっすぐ真剣な目で臣さんを見つめた


広臣「え・・そんなこと聞いたことない」


さっきより低い声で答え、俺を見つめ返す臣さん


『Aがまだモデルになってなかった時、
　一般人と付き合ってるって言ってたの
　あれAなんですよ』

広臣「・・・・なんで別れたの？」

『それは俺にも分かりません、
　いきなり別れようって言われたので、
　でもAは渡しません』



こんなに物事をはっきり、

気持ちをはっきり、

臣さんに伝えたのはこれが初めて

前にも言ったけど、Aの為なら

全てを失ってもいい。



広臣「岩ちゃんとAちゃんの昔の関係を
　 知らずにずっとAちゃんの話で
　 盛り上がってたのは悪いと思う、
　 でもAちゃんは岩ちゃんのものでも
　 誰のものでもないからAちゃんと会おうが
　 俺たちの勝手、俺本気だから。」



臣さんの目はいつにもなく真剣だった

臣さんが言ってることは確かに正しい

Aはもう誰の物でもない



『でもまた俺のものにするので、
　臣さんだからって手加減しません』

広臣「皆待ってるからもう俺戻るわ」


そういって臣さんは手を振り

トレーニングルームへ戻っていった

臣さんに負ける訳にはいかない



『ちっ』



俺は壁を思いっ切り殴った

もう痛みなんて感じない






Aを失う痛みと比べたら




.

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