【ツイステ】人形使いのお話

本当のお人形みたいだ…… ページ32

「ねぇ、ピース？…返事しなくてもいいからさ、僕の話し相手になってよ。」


謹慎部屋に入ってから、僕はずっとピースに話しかけていた。

でも、ピースは相変わらず動かない。今までこんなことはなかった。

気が付いたらピースは僕の傍にいたから、どうやったら動くかなんて考えたこともない。

ピースの綺麗な目は、ずっと一点を見つめたまま、瞬きもしない。

手を握っても、足を掴んでも、何も反応してくれないピース。

……本当のお人形になってしまったみたいだ。


「…ねぇ、ピース。
　僕ら、ここから出たらまず、怪我させちゃった人たちに謝りに行くんだよ。
　ごめんなさいって。ちゃんと罰は受けたから、これからはちゃんと「良い子」になるからって。
　…きっと許してもらえるよね？」
『……』
「だよね？ごめんなさいって言えば、大丈夫だって、先生も言ってたし。」
『……』
「それから？えーと…あ、次はハーツラビュルの先輩たちにも謝らなきゃ。
　いけないことをしましたって、ごめんなさいって。
　それに、入学式の日の僕の態度はひどいものでしたよね、ごめんなさいって。」
『……』
「え？謝ってばっかりだって？
　…しかたないじゃない。悪いことしてしまったんだもん。」
『……』
「…違うよ。僕はまだ「良い子」になれてない。これからなるんだよ。
　トレイン先生も、クロウリー先生も言ってたでしょ？
　これからの貴方次第だって。だから、これから頑張るんだよ。」
『……』
「あはは、そうだね。…うん、その通りだ……」
『……』


最後の言葉は自分でも聞こえないくらい小さくなっていた。

声よりも涙のほうが先にたくさん出てきて……

いつの間にか声は、「えっえっ」という言葉にならないものになっていた。

こんな僕ばっかりがしゃべる会話をしたいわけじゃない。

ピースとお話がしたい。

ねぇピース？僕の声、聞こえてるのかなぁ？

意地悪しないで応えてよ…

僕を一人にしないでよ……

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