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Bet9. ページ10

ズン、と揺れる空間、野次馬どもの小さな悲鳴と、一部の歓声。

「はははは…ユニーク魔法は盗られたが、通常魔法を奪わなかったのはお前の落ち度だな…!
 こうやって復讐されることを想定してなかったのか…?」
「いやー、普段から夜道だろうと昼間だろうと背中には気を付けてるんだぜ?」
「!!!!??」

負け犬くんの放った魔法はオレの魔防障壁に阻まれ、
シュルシュルと情けない音を立てながら消えていった。

「お―怖い怖い…魔法を使った私闘は校則で禁止されてるってのに、
 人目もはばからずに堂々と攻撃してくるなんて…よっぽど切羽詰まってたか、
 考えなしに突っ込んできたか、…あるいはそれこそ『全てを賭けて』オレに復讐しに来たか?」
「くっ…この野郎…ぶっ殺…」
「何の騒ぎだ!!」

いいタイミングだ、バルガス。
確か午前の授業の最後に体力育成のクラスがあったはず。
昼休みのこのタイミングにここにいれば、いつかは通りすがると思っていたが…ビンゴだな。
軽い気持ちで賭けた賭けだったが、オレの勝ちだな♪

「先生助けてくださいよ。こいつがいきなりナイフ持って襲って来たんですよ。」
「はぁ!?それは本当か?!」
「オレは嘘つかないですよぉ〜。なんならそこら辺にいる野次馬どもに聞いてみてくださいよぉ。」

わざと語尾を伸ばしてウザったらしく言ってみる。
バルガスも脳筋だがオレへの不信感はあるらしく、オレから目を離さないようにしつつ、
その辺にいた生徒に話を聞きに行った。

全員口をそろえて言う
「叫びながらナイフを持って、Aに襲い掛かるルーサーを見た」
「Aは回し蹴りで応戦したが、正当防衛だったと思う」
「Aはルーサーの手を踏みつけたが、手は出していない」
「ルーサーは魔法でAを攻撃した」
…全て事実だ。

ちなみに、賭博場のことを口走っていたのでどうしたもんかと思っていたが、
正直負け犬くんは喚き散らしていたから、まともに聞き取れる奴はあんまりいなかったようだ。

「…ふむ、わかった。アンダードッグと言ったか。教員室に来てもらおうか。」
「ま、待ってくれ!そもそもコイツがオレの…!!」
「わかったわかった。話はあっちで聞く。とりあえずついて来い。」
「…チッ」

流石に教師の前でオレに危害を加えるほどの度胸はなかったらしく、
思いっきり睨みつけて舌打ちしながら、負け犬くんはバルガスに連行されていった。

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白樺葵(プロフ) - かれーのるーさん» かれーのるーさん!コメントありがとうございます!具体的に好きなところを伝えてくださるのむちゃくちゃ嬉しいです!!!今後ちょっと更新遅くなるかもですが、執筆頑張ります……!! (2021年10月9日 8時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
かれーのるー - 面白い作品をたくさん作ってくださってありがとうございます。文の書き方が好みで毎回読んでいます。これからもたくさん面白い作品作ってください。😷 (2021年10月8日 15時) (レス) @page1 id: 3dcaa15021 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白樺葵 | 作成日時:2021年9月9日 17時

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