深海の商人３２ ページ49
「マレ…」
「…ベリアル、目を閉じろ。」
「…は、い？」
「力を抜いて、僕の言葉に身をゆだねろ。」
「……はい…」
…本当に、ベリアルは素直だ。
普通、視界を遮られた状態で力を抜けなどと、敵に急所をさらけ出すような事を
言われてすぐできるものじゃない。
僕のことを信頼しているが故の無防備さだと思うと、少し嬉しくもある。
…まぁこいつの場合、誰に対してもそうなんだろうが…
「ふー…」とベリアルが脱力したのがわかると、僕も目を閉じて集中する。
後ろでアジームが「なんだ？何してるんだ？マレウス」などと騒いでいるが、
バイパーとシルバーで押さえているようだ。
…目を閉じると、より鮮明に感じる、負の空気。
ヘドロのように黒く、重たく、嫌な感じだ。
ベリアルにまとわりつくように漂っている。
質量のある液体のような、濃い霧のような気体…何とも形容しづらい。
くっと、力を込めて念じれば、ドパッと空気は霧散する。
…が、全てを祓いきることはできなかったようだ。
チロチロと、力なく漂う、黒い何かの燃えカスのようなものが
ゆっくりと消えるフリをして、ベリアルの胸のあたりに吸い込まれていった。
「…ッ！」
「マレウス様！」
ピリッと掌に痛みが走り、思わず手を離す。
とくに外傷にはなっていないようだが…
「…あ、れ…？身体が軽い…」
2、3度瞬きをした後、ベリアルが自身の体を触りながらつぶやいた。
…よかった。ひとまずは活力を取り戻したか。
「…マレウス先輩、一体何を…」
「なに、軽いまじないのようなものだ。」
「おまじない！？すっげー！」
「マレウス様、手に何か…！？」
シルバーはベリアルのことも気になるようだが、流石従者としての行動が体に染み込んでいるのか
僕の手を心配してきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雲紋 狂歌(プロフ) - 白樺葵さん» 言い方が親目線(笑)pcはですね。うちのかあいいかあいい白柴に…(^^ゞ まあ、親のスマホとvitaちゃんさえあればツイステも、更新も出来るんで。悲しくなんてっ！ないんですけどっっっっっ!!! (2021年8月26日 20時) (
レス) id: ba521741cf (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 雲紋 狂歌さん» おぉ！反応早い！(笑)嬉しいです〜♪夢主くんね、いろんな感情にあてられてしんどくなったのかもですね…(汗) アズールとのビジネストークがですか！？カッコイイってよ〜夢主く〜ん (2021年8月26日 17時) (レス) id: 23d4604142 (このIDを非表示/違反報告)
雲紋 狂歌(プロフ) - そして！更新ありがとうございます！ミュートロギアくんどした?!今後が気になりすぎる!!私的にアズールとの会話がなんかカッコよかった(?)です！ (2021年8月26日 13時) (レス) id: ba521741cf (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 雲紋 狂歌さん» おぉ！ログインおめでとうございます！！しかしなぜパソコンが使えないように…！？ そうそう、昔っからそうで…夢小説という存在を知らなかったころから、映画や漫画を見ると「ここに自分を挿入したらどんな展開になるかな？」と想像するのが好きだったんですよ。 (2021年8月26日 13時) (レス) id: 23d4604142 (このIDを非表示/違反報告)
雲紋 狂歌(プロフ) - 映画の様に…???流石です。_(._.)_ あと！念願のログイン達成！お気に入り登録しておきました!!ひゃっほう！…pc使えなくなりましたが… (2021年8月26日 13時) (レス) id: ba521741cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白樺葵 | 作成日時：2021年7月29日 17時
