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序章22 ページ23

(→side:リリア)

「して、Aよ。マレウスに用があったとな?」
「あ、はい。入学式に来られなかったので、ご挨拶と様子伺いに……」
「そうじゃったか。いや、気を使わせてすまんの。」
「いえ…入学式の案内…私も、どなたかは式の事を知らせに行っているものだと思って…申し訳ありませんでした。」
「気にするでない。あやつも少しむくれておったが、散歩から帰れば機嫌は治っておるじゃろ。」
「なっ!!リリア様!若様はおひとりでお散歩へ!?」

ほんに、こやつはマレウスの事になるといちいち大騒ぎしよる。

「いや、シルバーがついておる。心配はいらんよ。」
「あやつ一人には任せておけません!ここは僕もお供に…!!」
「ふふっ」

セベクの様子を見ていたAがふいに噴出した。

「な、なにがおかしい!!?」
「ご、ごめんなさい…!セベクさん、本当にマレウスさんの事を大切に思ってらっしゃるんだなと思いまして。」
「当然だ!!若様に仕えることこそ僕の使命、僕の喜びなのだからな!!」
「おっとAよ、この話が始まると日が沈んで昇ってしまうぞ。マレウスも寮にはおらぬし、また日を改めて遊びに来てくれんか?」
「ここまでの道中でもうお腹いっぱい聞かせていただきましたよ。」
「おぉ、そうじゃったか…」

またやりおったか…。
セベク(こやつ)の忠誠心は買っておるが、ちとブレーキがいかれておる。

「では、私はこれで。マレウスさんと、シルバーさんにもよろしくお伝えください。」
「うむ。承知した。また茶でも飲みに遊びに来るがよい。」
「ありがとうございます。では、セベクさん、リリアさん、失礼いたします。」

すっと頭を下げてから去り行くAに軽く手を振る。

「のぉ、セベクよ。」
「はっ、なんでしょうか?」

その姿が見えなくなってから、セベクにだけ聞こえるよう声を潜める。

「おぬし、Aから何か感じたか?」
「は?…いえ、なんだかいい香りがするとしか…」
「まぁそうじゃの。」

Aは周りを癒す香りをしておる。…本人に自覚があるかどうかはわからぬが…。
幼き時分より草花とともに生きてきたからであろうな。
…じゃが、わしが言いたいのはそのことではない。

「Aはマレウスとも良き友じゃ。お前も仲良くしてやってほしい。…じゃが、すべてを許すな。」
「…どういうことですか?」
「……」

あやつの癒しの香りの向こう側…そこにほのかに香るのは…『死』じゃ。

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作品ジャンル:ファンタジー
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リゼ - 白樺葵さん» 学園内の身長のトップはツノ太郎では、、、 (2022年6月23日 14時) (レス) @page32 id: bd60c7e03e (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 星猫さん» >星猫さん こんにちわ!知っているレベルで言えば「僕のヒーローアカデミア」「BEASTARS」「怪物事変」「文豪ストレイドッグス」…と、このあたりでしょうか?総じて異能力バトルや、妖怪が出てくるお話が好きです(^^) (2021年3月4日 17時) (レス) id: 62e8178f4a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月4日 17時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白樺葵 | 作成日時:2020年11月9日 22時

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