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『……人の居ねェ間に家に入った上に、人の女になんつうモンを食わせてんだてめェは』
仕事の疲れも加わっているのか、彼、高杉晋助の眉間にはいつもよりも深くシワが寄っていた。Aは高杉をなだめるように彼からスーツのジャケットと鞄を受け取る。
『さすがに猫用のお菓子を食べたのは初めてでした』
『む? そうだったのか……それはすまん。
だが、カリカリは意外といけるぞ?』
『なにを勧めてんだバカ』
鞄を所定の位置に置いてスーツをハンガーにかけた彼女は、高杉に紅茶かコーヒーどちらを飲むか聞く。高杉は「酒」と選択肢を増やし、桂に横目で視線を送った。
『軽く飲んで帰りゃァ、しばらくは大人しくなるだろうよ』
フン、と鼻であしらうその姿が先ほどの桂と重なって、Aは思わず吹き出してしまう。そんな彼女の姿を怪訝そうに見る高杉だが、何でもないと誤魔化した彼女は足早に支度を始めるためにキッチンへと向かった。
幼馴染みだろうが腐れ縁だろうが、あの二人は長年一緒にいて、縁が切れずに今でも続いているのだ。お互い似る部分もあるし、お互いのことはよく分かっている。
それが少しだけ、Aは羨ましく感じてしまった。
『桂さん、ビールとワインどちらが好きですか?』
『う〜む……。やはりここは喉越しの良いビー『白ワイン』
桂の声を遮った高杉はリビングに入りながらそう言い、桂の目の前のソファに大きく座る。Aは高杉に桂がお客さんであることを伝えようとするも、どうせ彼が「客じゃねェよ、こいつは」と言うのが目に見えていたため、彼女が桂に目配せをすると、仕方ないと妥協するように頷いた。
『高杉も食べてみるか? んまい棒キャットフード味』
『生憎俺には猫の餌を食う趣味はねェよ』
『それは残念だ』
「ほれ、銀時」と桂はんまい棒を銀時に向けるも、Aと高杉以外の手から食べようとしない銀時は、素早く彼の手からんまい棒を奪い取ってキャットタワーの中に持っていく。
そんな銀時に対して「なぜだ!?」と肉球を求めて銀時へと近づく桂の姿を見た高杉の口元が、一瞬だけ緩んだようにAには見えた。
彼はきっと、縁という繋がりで生まれた情に弱いのではないだろうか。
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お久しぶりです。と言っても約二ヶ月振り……。
元気です。ハルはちゃんと、生きてます。
それではまた今度。
番外篇もあと一つでおしまいです……多分……。
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ハル(6/17)(プロフ) - ?京華月 桜?さん» こちらこそこんなに嬉しいコメントいただいちゃってどうしてくれるんですか〜笑 ありがとうございます!! キュンキュンしてくださることがとっても嬉しいです! コメントと閲覧をどうもありがとうございます( ´ ∀`) (2018年4月4日 23時) (レス) id: 0297264441 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(6/17)(プロフ) - 銀皐月さん» 久しぶり!!!さっつん!!! 受験はもう終わってるかな? 頑張ってた時期に応援の声をかけられなくて無念( ; ; ) 時間あったらまたお話ししよ! スマホ買ったら教えてね!!! (2018年4月4日 23時) (レス) id: 0297264441 (このIDを非表示/違反報告)
?京華月 桜?(プロフ) - ハァァー//////もうやばいよほんとに…!読むたびにキュンとしてもうずっと発狂してます!どうしてくれるんですか、カッコ良すぎだよ晋助様!!面白すぎるって言うか最高すぎますよ!ハルさん!!! (2018年3月31日 13時) (レス) id: 8b9ff51846 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - お久しぶり、ハルー!会いたかったァァァ!時間ズレた!泣
来るって聞いてたら、携帯の前でせっせとおめかししたのに〜笑笑
元気かな…、とか思いながら、早……何ヶ月たった?笑笑
私は魔王、お受験様に追われる身となったよ笑 高杉には猫のおやつを進めます笑 (2018年2月13日 21時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
ハル@六月に一時帰還予定(プロフ) - 紫蘭さん» こちらこそ閲覧とコメントとリクエストをありがとうございます! 2017年はお世話になりました。2018年も、よろしくお願いします! たまに他の作品に顔を覗かせたりすると思いますので、またお会いできたら嬉しいです( ´ ∀`) ありがとうございました。 (2018年2月13日 19時) (レス) id: 9ebc1e1d82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年12月22日 17時