【銀魂】ありがとう、愛しい人よ

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『銀時、おいで』



彼女の小さな手に抱きかかえられた銀時は、短い尻尾を揺らしては居心地良さそうに目を細める。そうして眠る前から感じていた良い匂いに鼻をピクピクとひくつかせ、その匂いの発信源を見つけた瞬間にAの腕から飛び降りた。



『誕生日おめでとう、銀時』



テーブルの上には猫用のケーキ。銀時の顔にそっくりなそれを、銀時は不思議そうに見てはすんすんと匂いを嗅いで今にも食べたそうにケーキとAを交互に見る。


しかし今日は銀時の産まれた日ではなく、高杉が銀時を拾ってきた日だ。それを銀時が覚えているわけもなく、どうして今日の食事は豪華なのか考えるも、一瞬で「どうでもいいか」と判断してしまう。


Aに食べていいよ、と言われた銀時は真っ先にケーキへ顔を埋め、周りに飛び散らせながら慌てて食べていく。そんな姿を彼女は柔らかい笑みで見つめており、高杉でさえも頬杖をついては銀時を見ていた。


顔中ケーキ塗れの銀時は前足で顔を洗うも結局被害は拡大するだけで、その汚れたまま撫でてもらおうとAの所へ行くが、彼女は前足の下に手を入れて銀時を持ち上げる。



『よし、お風呂行こっか！』



「お風呂」と聞いた瞬間に銀時はAの腕から脱出、高杉へと飛びつく。しかし彼の服にケーキがベッタリとついてしまい、それに目を細めた高杉は問答無用で銀時の首根っこを掴んだ。



『汚ねェ。これじゃァ拾った時と同じだボロ雑巾』



高杉の言葉の意味を理解した銀時は必死になって彼を前足で蹴ろうとするも届かず、シャワーを容赦なしにかけられてしまう。

しかし風呂から出ればAが銀時と同じくらい白いタオルを広げて迎えており、優しく掻くように拭かれる。



ドライヤーをしながら毛並みを梳かされるのが好きな銀時は、幸せそうに横へと伸びきった顔をしては眠りについた。



おやすみ



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2017年、本当にお世話になりました。
新サイトに引っ越しなどもあってバタバタとしてしまいましたが、こうして皆さんに作品を読んでもらえていることがとても嬉しいです。

知らない人もいると思いますのでここでも申し上げますが、私ハルはサイトを立ち上げてそこで書き始めることにしました。

詳しくはこちらと、「さよなら三角、またきて四角」の作者からのページをご覧ください。


残りの容量はネタが思いついたら載せにきます！

良いお年を

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