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『どうして私、晋助さんにお世話されてるんですか?』
『お前今日誕生日だろ』
『え? あ、確かにそうですけど……』
それと何が関係あるのか、知りたくて高杉を見つめる彼女の頭に彼は手を乗せた。
『だから今日一日甘えさせてやるよ』
「ほら」と差し出されたフォーク。その先端にはフレンチトーストが刺さっており、Aは高杉からの誕生日プレゼントを受け取るようにそれを食べる。
口元に付いた蜂蜜を指で拭った高杉はそのまま自身の舌で舐めるも、「甘いな」と言っては顔を歪めた。
『これくらいがちょうど良いんです』
くしゃりと笑ったAは高杉を急かすように余ったシャツの腕を掴む。しかし、途中まで運んだフレンチトーストを皿の上に戻した高杉は、彼女の開いた口を自分の唇で塞いだ。
『誕生日、おめでとう』
「ありがとうございます」も言わせず、高杉は何度も口唇を合わせては離すを繰り返した。彼女も伝われば良いと彼の服を握りしめ、必死になって高杉からの愛を受け入れていく。
お互いがお互いに送る視線に熱がこもり始めた頃、高杉は彼女を再び抱きかかえ、今度はソファに降ろした。
『して欲しいことがあれば言え』
なんでも、望むことを思うがままに。
そう誓った高杉に、Aはゴクリと唾を飲み込む。まだ口の中に残っていた、自分の物だとは言い切れない唾液。
喉の奥から手が出るほど欲しい。
『世界で一番、幸せにしてください』
「仰せのままに」耳をくすぐる声。
Aの心臓の裏側をぞわぞわと撫で回す高杉の吐息は、少しだけ蜂蜜の匂いがした。
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ハル(6/17)(プロフ) - ?京華月 桜?さん» こちらこそこんなに嬉しいコメントいただいちゃってどうしてくれるんですか〜笑 ありがとうございます!! キュンキュンしてくださることがとっても嬉しいです! コメントと閲覧をどうもありがとうございます( ´ ∀`) (2018年4月4日 23時) (レス) id: 0297264441 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(6/17)(プロフ) - 銀皐月さん» 久しぶり!!!さっつん!!! 受験はもう終わってるかな? 頑張ってた時期に応援の声をかけられなくて無念( ; ; ) 時間あったらまたお話ししよ! スマホ買ったら教えてね!!! (2018年4月4日 23時) (レス) id: 0297264441 (このIDを非表示/違反報告)
?京華月 桜?(プロフ) - ハァァー//////もうやばいよほんとに…!読むたびにキュンとしてもうずっと発狂してます!どうしてくれるんですか、カッコ良すぎだよ晋助様!!面白すぎるって言うか最高すぎますよ!ハルさん!!! (2018年3月31日 13時) (レス) id: 8b9ff51846 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - お久しぶり、ハルー!会いたかったァァァ!時間ズレた!泣
来るって聞いてたら、携帯の前でせっせとおめかししたのに〜笑笑
元気かな…、とか思いながら、早……何ヶ月たった?笑笑
私は魔王、お受験様に追われる身となったよ笑 高杉には猫のおやつを進めます笑 (2018年2月13日 21時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
ハル@六月に一時帰還予定(プロフ) - 紫蘭さん» こちらこそ閲覧とコメントとリクエストをありがとうございます! 2017年はお世話になりました。2018年も、よろしくお願いします! たまに他の作品に顔を覗かせたりすると思いますので、またお会いできたら嬉しいです( ´ ∀`) ありがとうございました。 (2018年2月13日 19時) (レス) id: 9ebc1e1d82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年12月22日 17時