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−Aside−
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―私は椅子から立つと、エルヴィンを強く抱きしめる。
あ「__本当に良かった、生きていてくれて。」
エルヴィンを抱きしめる私の腕が、かすかに震える。
___ずっと怖かった。
エルヴィンが死んでしまったらどうしようと。
でも...エルヴィンがこうして目を覚ましてくれた。
本当に...よかった。
エル「っ...A、すまな...」
あ「無理に話さなくても大丈夫です。きっと疲労が溜まっていたし、重体だったんですから。
うまく声を出せないと思います。今は、安静にしていてください。」
そっとエルヴィンを離すと、彼をまっすぐ見つめる。
エルヴィンは私を見て、薄く微笑むと口パクで『ありがとう。』とそう言った。
あ「__エルヴィン。」
その笑みを見て、安心して涙が込み上げる。
あ「っ__。」
__私はエルヴィンに顔を近づけると、彼にそっと口付けをした。
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−エルヴィンside−
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―私は思わず目を見開く。
Aが、私に口付けをした。
Aはそっと唇を離すと、まっすぐ私の目を見つめる。
頬を赤くし、目に涙を溜めていた。
あ「__エルヴィン、本当にあなたが無事でよかった。」
エル「っ__A、君は...一体何を...」
あ「__ずっと考えていたんです。エルヴィンの治療をしながら。
このままあなたが、助からなかったら...私はどうすればいいのかって。
あなたが死んでしまったら...どう生きていけばいいのかって。
今まであなたの想いから逃げていたのを、後悔していました。
だけど...あなたはこうして生き延びてくれた。
本当に感謝してます。
そして...改めて分かったんです。
__私は、エルヴィンが好きです。」
__彼女の言葉に思わず目を見開く。
―『__私は、エルヴィンが好きです。』
___ずっと望んでいた、この言葉を彼女から聞ける時を。
...5年も待っていた。
それが今、叶ったんだ。
私はAをまっすぐ見つめ、優しく微笑み、彼女の頬を左手でそっと撫でた。
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紗也(プロフ) - 明日さん» いつも本当にありがとうございます!これからも頑張ります♪ (2018年11月9日 16時) (レス) id: b1705a050e (このIDを非表示/違反報告)
明日 - これからも応援してます!! (2018年11月5日 15時) (レス) id: 09c1450ad5 (このIDを非表示/違反報告)
明日 - 続編おめでとうございます! (2018年11月5日 15時) (レス) id: 09c1450ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗也 | 作成日時:2018年11月5日 10時