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「・・・聞いてる?」
「・・・っ、」
入野さんは唇を私の耳に寄せて、私に囁きかける。
時々触れる唇に、かかる息に、一々体を震わせる私を見て、もっと火をつけたようで。
「ねえ・・・何考えてたの?A」
「んっ、だから、なにも・・・っ」
「・・・俺のこと?」
「・・・」
私は再び口を閉ざす。
だって、入野さん絶対もうわかってるもん。
答えさせるなんて、とんだ羞恥プレイだ。
「・・・あ、わかった」
「え、」
「・・・やらしいこと、考えてたんでしょ?」
そう囁いて、私の耳に息を吹きかけた。
思わず声を小さく漏れ、力が抜けて入野さんの肩にもたれかかってしまう。
「・・・図星だ」
「・・・そういうことを考えてたわけじゃなくて・・・だって、入野さんがあんなこと言うから」
「へえ、じゃあ襲って欲しかったんだ?」
「ち、ちが、!」
“違います!”と言いたかった。
言う前に私の唇を塞いだそれは、甘くてあまくて。
とろけてこぼれ落ちそうなほど甘いキスをしながら、ソファにゆっくりと倒された。
段々深くなるキス。
息が苦しくて、薄く口を開くと、舌がぬるりと入り込んだ。
「ぁ、ん・・・ふ、」
「ん、」
舌を絡め取って、軽く吸われた。
身体はそれに反応して一際大きく震え、息の苦しさと相まって涙がこぼれる。
唇が離れた。
入野さんは決まって、私の目から涙が溢れると唇を離してくれる。
離していた顔がまた近付いたので咄嗟に目を瞑ると、ぜえぜえと肩で息をする私の首筋にもキスが落とされた。
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アヌ - すごく面白いです!続きがとても気になります。もう更新する予定はないのでしょうか?大変だとは思いますが、頑張ってください(^-^) (2023年2月18日 13時) (レス) @page38 id: dccb579fc6 (このIDを非表示/違反報告)
clarinetloveand(プロフ) - この作品が初めてできた時から今まで読み続けていました。更新とても楽しみにしております。 (2022年3月12日 22時) (レス) id: 0c834e660b (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 面白かったので続きを是非書いてください。完結まで是非書いてください。お願いします! (2020年7月18日 9時) (レス) id: f0acef49cf (このIDを非表示/違反報告)
莉兎(プロフ) - 悠さん» 悠様、コメントありがとうございます!ゆっくりではありますが更新していきますので今後も引き続きお楽しみくださいませ。応援ありがとうございます、頑張ります(´˘`*) (2019年7月9日 23時) (レス) id: ba3d0050a9 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 面白くて1日で全部読んでしまいました!!今後の展開が気になって毎日ソワソワしてますw大変だとは思いますが頑張ってください!!! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7c7911550e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉兎 | 作成日時:2019年6月14日 23時