【Kiramune】たった1人のシンデレラ �掘敍�野自由】

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ほんの少し、肌寒さを感じた。


ぱちりと目を開けると、目の前には入野さんの胸筋が。

初夜の翌朝は、状況を理解できなくて叫んでしまうという女性もいるらしい。
けれど、私は違った。


入野さんと、やっと繋がれたんだ。

嬉しくて、つい顔が綻んでしまう。


入野が起きる前にシャワーを浴びようと、きつく抱き締められた身体を捩ると、あることに気が付いた。


私、入野さんのTシャツ着てる・・・？
それに、あんなに汗をかいた体はどこに触れてもさらさらで。

昨夜、入野さんが丁寧に愛撫してくれたにも拘らず挿れた時の痛みが本当にひどくてひどくて。
自分は果てていないけど、彼が果ててからそれを行為の終わりとし。
あまりの痛みと、緊張と、不安と・・・色んな感情から一気に解放された私は、事が終わってすぐに眠りに就いてしまった。

ということは、彼が私の体を拭いて、服を着せてくれたのだろう。
感謝しかない。


今でも若干痛みがあるけれど、昨日に比べたら随分マシになった。

シャワーを浴びる必要がないと判明したので、もう一度入野さんの腕の中に入り直す。


顔を見つめていたら、昨夜の光景がフラッシュバックした。



『 声、聞かせて 』


『 爪立てていいよ。なんなら俺の肩に噛み付いてもいいから、痛くても我慢しないで 』


『 っは、びくびくしてる、かわい・・・ッ 』



誰に見られているわけでもないのに、勝手に恥ずかしくなって顔を両手で覆う。
私ってば、入野さんの前であんなはしたない声を・・・。
そんなこと気にしても、生理現象だから仕方ないといえばそうなのだが。


心を落ち着けてふうっと息をつくと、何処からか現れた手の親指と人差し指に、頰を摘まれた。


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