097 ページ4
.
「で?ほんとに泊まんの?」
「あ、いや別に無理にとは」
「嘘だよ、普通に泊まってくもんだと思ってた」
入野さんが「お風呂洗ってくる」と言って席を立つ。
どきどきした。
『くそっ、あと一週間遅ければな・・・』
冗談だって言っていたし実際そうなんだろうけど、熱の込められた声に聞こえてしまって何度も頭の中でこだまする。
だって、私はあと一週間で二十歳になるんだ。
“そういうこと”を全く期待していないと言ったら嘘になる。
経験もないくせに、なんて恥ずかしい人間なんだと自分でも思う。
でも入野さんとの関係がもっと深いものになるというのは素直に嬉しいし、私のまだ知らなかった入野さんを知れることも嬉しい。
・・・って、私はまた何を考えてるの・・・!
我に返って頰に熱を感じた私は、ソファに置いてあったクッションで顔を隠した。
「・・・なにしてんの?」
「!いえ、なにも」
いつの間に戻って来ていた入野さんの怪訝そうな声が上から降って来た。
入野さんは元いた私の隣に座って、私の手からクッションを取り上げてしまう。
「・・・なにその顔、真っ赤」
「・・・」
見ないでー!
その疑い深そうな目やめてー!
必死に顔を背けていたがその抵抗も意味なく、頭を掴まれてぐりんと入野さんの方を向かされてしまった。
「なに、考えてたの?」
「・・・」
「ねえ」
答えようとしない私を見た入野さんは、私に顔を近づける。
.
325人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男性声優」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヌ - すごく面白いです!続きがとても気になります。もう更新する予定はないのでしょうか?大変だとは思いますが、頑張ってください(^-^) (2023年2月18日 13時) (レス) @page38 id: dccb579fc6 (このIDを非表示/違反報告)
clarinetloveand(プロフ) - この作品が初めてできた時から今まで読み続けていました。更新とても楽しみにしております。 (2022年3月12日 22時) (レス) id: 0c834e660b (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 面白かったので続きを是非書いてください。完結まで是非書いてください。お願いします! (2020年7月18日 9時) (レス) id: f0acef49cf (このIDを非表示/違反報告)
莉兎(プロフ) - 悠さん» 悠様、コメントありがとうございます!ゆっくりではありますが更新していきますので今後も引き続きお楽しみくださいませ。応援ありがとうございます、頑張ります(´˘`*) (2019年7月9日 23時) (レス) id: ba3d0050a9 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 面白くて1日で全部読んでしまいました!!今後の展開が気になって毎日ソワソワしてますw大変だとは思いますが頑張ってください!!! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7c7911550e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:莉兎 | 作成日時:2019年6月14日 23時