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「・・・ねえ、入野さん」
「なに?」
「キスしたい」
先ほどの話題が解決して、私のお酒も空になって。
お互い少し眠くなってきてそろそろ寝ようとしていた二十三時。
お酒の力を借りて積極的になってはいるけれど、キスをしたいという気持ちは本物だ。
入野さんに甘えるように擦り寄っておねだりしてみれば、「キスだけだからね」と、私には勿論彼自身にも言い聞かせているような言葉が聞こえた。
「A、ちょっと酔ってる?」
「酔ってない、から・・・はやく・・・」
「酔ってるじゃん」
もう、うるさい。早く入野さんが欲しい。
今まで触れるだけのキスだけで、少し欲求不満だったんだもん。
お酒のせいで積極的になるっていうの、なにかのサイトで見たことあるなあ。本当なんだ。
呑気なことを考えながら、頰に添えられた手に自分の手を重ねる。
「何考えてんのか知らないけど、俺から意識逸らしてる場合じゃないんじゃない?」
「え、んっ」
不機嫌そうにそう言ってすぐ、唇が合わさった。
いきなり噛みつかれるように、濃厚なキスをされて、段々と頭がぼーっとしてくる。
それさえ気持ち良くて、入野さんの後頭部に片手を回して更に引き寄せた。
「っは、なに、随分積極的じゃん・・・」
「・・・入野さんのキス、すきだから」
「っ、言うね。ほら、舌出して」
「ぁ、う・・・んっ、」
熱い舌が絡む。
アルコールで体温が上がっている私は、意識さえもぼやけてきてしまう。
気持ちいい。・・・もっと、もっと。
知らない快楽の海に、止まることなく沈んでいく。
ついに私は、意識を手放した。
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アヌ - すごく面白いです!続きがとても気になります。もう更新する予定はないのでしょうか?大変だとは思いますが、頑張ってください(^-^) (2023年2月18日 13時) (レス) @page38 id: dccb579fc6 (このIDを非表示/違反報告)
clarinetloveand(プロフ) - この作品が初めてできた時から今まで読み続けていました。更新とても楽しみにしております。 (2022年3月12日 22時) (レス) id: 0c834e660b (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 面白かったので続きを是非書いてください。完結まで是非書いてください。お願いします! (2020年7月18日 9時) (レス) id: f0acef49cf (このIDを非表示/違反報告)
莉兎(プロフ) - 悠さん» 悠様、コメントありがとうございます!ゆっくりではありますが更新していきますので今後も引き続きお楽しみくださいませ。応援ありがとうございます、頑張ります(´˘`*) (2019年7月9日 23時) (レス) id: ba3d0050a9 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 面白くて1日で全部読んでしまいました!!今後の展開が気になって毎日ソワソワしてますw大変だとは思いますが頑張ってください!!! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7c7911550e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉兎 | 作成日時:2019年6月14日 23時