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「じゃあ、最初はこれ」
入野さんは、そう言って三つ並んだ小さい箱の中の一つを私に差し出した。
箱を開けると、有名な高めの化粧品ブランドのラッピング袋が。
初めて手にするブランドの袋に戸惑いつつそれを開いて中身を取り出す。
「口紅・・・?」
「うん」
「わ、すごい、綺麗な赤・・・」
真っ赤、というわけでもなく、暗いわけでもなく。
少しコーラルが入った感じの赤。
私なんかに似合うのかな?
使うのが勿体無いくらいだ。
「ありがとうございます、大事にします」
「もっと薄い色でも似合うかと思ったんだけど、・・・その、赤をあげたくて」
「え、あ・・・なるほど・・・唇まで俺が独占、ってことですね」
「・・・」
そう言って茶化すと、入野さんは黙り込んでしまった。
まさかの図星?
嬉しさと同時に愛おしさが溢れて、つい「かわいい・・・」と零してしまった。
照れて顔を背けていた入野さんが真顔でこっちを睨んで、「いいからはい、次」と不機嫌そうに呟く。
「次はこれ」
「これは・・・」
この箱は開けなくてもわかる。
きっと指輪だろう。
許可を得て、外箱を開けて見るとそこに入っていたのはやっぱりリングケース。
「待って、そこからは俺がやる」
「あ、はい」
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アヌ - すごく面白いです!続きがとても気になります。もう更新する予定はないのでしょうか?大変だとは思いますが、頑張ってください(^-^) (2023年2月18日 13時) (レス) @page38 id: dccb579fc6 (このIDを非表示/違反報告)
clarinetloveand(プロフ) - この作品が初めてできた時から今まで読み続けていました。更新とても楽しみにしております。 (2022年3月12日 22時) (レス) id: 0c834e660b (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 面白かったので続きを是非書いてください。完結まで是非書いてください。お願いします! (2020年7月18日 9時) (レス) id: f0acef49cf (このIDを非表示/違反報告)
莉兎(プロフ) - 悠さん» 悠様、コメントありがとうございます!ゆっくりではありますが更新していきますので今後も引き続きお楽しみくださいませ。応援ありがとうございます、頑張ります(´˘`*) (2019年7月9日 23時) (レス) id: ba3d0050a9 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 面白くて1日で全部読んでしまいました!!今後の展開が気になって毎日ソワソワしてますw大変だとは思いますが頑張ってください!!! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7c7911550e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉兎 | 作成日時:2019年6月14日 23時