【Kiramune】たった1人のシンデレラ�供敍�野自由】

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目が覚めると、身動きが取れなかった。
入野さんに抱きしめられて、両脚が絡められていて、これでもかというほどにホールドされている。

今何時？！

顔を動かして時計も確認できないほどきつく抱きしめられている。
これ起きてるでしょ入野さん・・・！


「いりのさん、」

「だめ」

「なにがですか・・・！」

「あと10年このまま・・・」

「それこそだめです！！」


お仕事あるんじゃないんですか！？
そう言うと「Aを抱きしめてんのが仕事・・・」とか、訳の分からないことを言ってもっと力を強くした。


「私も今日授業あるんですけど・・・！」

「・・・俺と単位、どっちが大事なわけ？」

「単位です！！！」


多分こう言わないと離してもらえないので、投げやりになってそう答える。

すると、入野さんは渋々といった様子で離してくれた。
・・・機嫌が悪そうだ。


「もう、いいよ、行けば」

「なに怒ってるんですか・・・」

「怒ってないし」


やめよう。ここから続けると本当に授業に間に合わなくなる。

今日は二限からだったが、入野さんの機嫌が優れないようなので早めに家を出ることにした。


「入野さん」

「なに」

「私、もう行きますね」

「・・・次、来れるのいつなんだっけ？」

「来月の中旬とか？ちょうど一ヶ月後くらいです」


入野さんは、一ヶ月Aに会えないのか・・・とわかりやすく肩を落とす。
機嫌が悪いんだか良いんだか。
可愛いな、と思って「電話しましょうね」と言って頬にキスすると、何も言わずに頷いた。


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