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052 Side : M.I ページ5

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「先ベッド入ってて」


Aを一人にすることに申し訳なさを感じつつもそう言って、俺もまた一人リビングへ戻る。

そして迷うことなくLINEを開き、トークの一番上に固定されたトーク画面から、すぐに“無料通話”を選択する。


聞き慣れた呼出音が二週目に入る前に、電話は繋がった。


『あ、自由?どした?』

「神谷さん、助けてくださいよ」

『なんだよ、雷でも怖いの?』

「違いますよ!」


俺じゃなくて、彼女が!
Aに聞こえないように小声で伝えると、神谷さんは「またその話かよ」と言って呆れたように笑った。


俺とAの関係を知る者は、Aの母親と神谷さんしかいない。

神谷さんには相談も乗ってもらっていたし隠す必要もないだろうと思い、付き合い始めてから割とすぐに打ち明けていた。
神谷さんは素直に祝福してくれたし、Aも混じえて二度ほど食事に行ったりもしている。


『で、今度は何があったんだよ』

「この雷雨じゃないですか。
・・・その、一人じゃ寝れないって言うから添い寝することになったんですけど」

『またお前の思春期の話?』


違いますって!と反論するも神谷さんは笑ってまた俺を揶揄う。
いや、あながち間違ってはいないのだが。


『彼女が雷雨に怯えてんのに変な気起きる方がおかしいって』

「・・・でも全く起きないと言えば嘘になります」

『起きたら起きたときだろ?』


大丈夫大丈夫、Aちゃんならお前のこと突き飛ばして逃げてくれるって!

・・・言われてみればそんな気もしてきた。


「もし俺が逮捕されるようなことがあった神谷さんも共犯にしますからね」

『おい待てよそれはおかしいだろ!?』


『おい!自由!聞いてんのか!』と叫ぶ神谷さんをよそに通話を終了し、足早に部屋へと向かった。


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設定タグ:kiramune , 入野自由 , 男性声優   
作品ジャンル:恋愛
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真桜(プロフ) - 莉兎さん» いえ…!!ラジオは入野さんの素が出ますもんね笑 入野自由cv.入野自由って結構きます笑 毎回読む度に心拍数が凄くて…笑 本当に大好きでお気に入りの作品です!!勿論です!応援してます! (2019年6月2日 21時) (レス) id: 18be0f9570 (このIDを非表示/違反報告)
莉兎(プロフ) - 真桜さん» コメントありがとうございます。実はそれを1番意識して書いているのでそう言って頂けてとても嬉しいです…!ラジオの聞きすぎでしょうか、脳内で自動再生されたCV入野自由を頼りに執筆しております(笑)これからもご愛読、ならびに応援よろしくお願い致します!! (2019年5月26日 20時) (レス) id: ba3d0050a9 (このIDを非表示/違反報告)
真桜(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます…!!私の勝手な偏見なんですけど、入野さんこういう口調っぽそうだなーとか、こういう行動しそうだなーって思って本当に凄いなぁって思います!毎日更新楽しみにしてて…お受験でお忙しいと思いますが、受験合格応援してます! (2019年5月26日 20時) (レス) id: 18be0f9570 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 莉兎さん» ありがとうございます。いつか機会があればお願いします。 (2019年5月26日 17時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
莉兎(プロフ) - りささん» 謝ることないですよ(・・;)お気になさらないでください、、! (2019年5月26日 16時) (レス) id: ba3d0050a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:莉兎 | 作成日時:2019年4月22日 0時

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