【Kiramune】たった1人のシンデレラ�供敍�野自由】

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「とりあえず入野さんの話したいように話してください」

「途中で遮ったりしないでね」


食事中はやはりちゃんと喋ることができない、と思ったので、食後お茶を淹れて話すことにした。

母は明日も朝早くから仕事だからともう寝室へ行ってしまったため、入野さんと二人向かい合って座っている。


「まず・・・あの女優さんとは本当に何もない。
ただの友達だよ」


お互いブルーノ・マーズが好きだということで仲良くなったらしい。

「それと、」と入野さんは続ける。


「調べなかったの？あの人既婚者だよ」

「・・・不倫の可能性だって有り得ます・・・」

「・・・撮られた写真、あの女優さんは背中だったでしょ？前に子供抱えてたんだよ」

「・・・は？」


「ほら、」と言ってその日撮ったらしい写真を見せてくる。
そこに映っていたのは、二〜三歳くらいの、女優さんにそっくりな女の子。

その子を後ろから抱きしめている女性の左手薬指には、確かに指輪が光っている。


「・・・疑って、ごめんなさい」

「いや、俺が疑わしい行動をしたのも事実だから」

「じゃ、じゃあ、あのジュエリー店はなんだったんですか？てっきりその方にプレゼントするものだと思って・・・」

「・・・Aに、ね」


「え？」と気の抜けた声を漏らした。
入野さんは、「あーあ、本当に言うつもり無かったのになぁ」と頭を掻いた。


「・・・Aが二十歳になったら、何かそういうのをプレゼントしようと思ってたんだよ」


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