【Kiramune】たった1人のシンデレラ�供敍�野自由】

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「・・・いつまで手繋いでるんですか」

「俺が飽きるまで」


どこまでも自由な人。
私が怒っていることは関係ないらしい。

反省の色がほとんど見えないのは少し癇に障るが、彼はそういう人なので気にしても無駄だ。


入野さんは、私が事情聴取を受けている間も隣にいて手を握ってくれていた。


「ずっと会えなかったことへのお詫びのつもりですか」

「俺がそんなことすると思う？」

「・・・思わない」

「なんだ、分かってんじゃん。俺が手繋ぎたいから繋いでるだけ」


やがて繋いでいた手を絡めて恋人繋ぎにした入野さん。
今日は機嫌がいいらしい。

自身の持ち歌を鼻歌で唄いながらリズミカルに歩く入野さんをよそに、私は無言で自宅を目指す。


ここまで機嫌を良くされると、なんだか自分がイライラしていることが馬鹿馬鹿しいな。


「どこまで行くんですか、もう着きましたよ」

「あれ？こんな近かったっけ」


通り過ぎようとした入野さんは「前来た時は車だったからなぁ」と笑う。

これ、私と会っていなかったら家まで辿り着けなかったんじゃ・・・？


「ただいまー」

「お邪魔します」

「A！遅かったじゃない・・・って、あら、入野さん」


すぐそこだから、と携帯を持っておらず母に何も連絡を取れていなかったので、先程の話から始めることに。


私が買ってきたお醤油が入るはずだった煮物は、遅すぎてだし醤油で対応されていた。


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