【Kiramune】たった1人のシンデレラ�供敍�野自由】

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「Aちゃん、こんにちは」

「神谷さん！お忙しいのにすみません」

「いいのいいの、Aちゃんは妹みたいなもんだから」


そう言って笑う大人気声優神谷浩史さん。


今日は、以前相談させて頂いたのに解決したことを直接話していなかったので、お時間を頂いた。

と言ってもこの後も収録があるそうで、今日は食事ではなく少しお茶するだけなのだが。


個室の席があるという珍しいカフェに連れて行って頂いて、そこで話すことにした。


「単刀直入に言うと・・・私の勘違い、でした」

「いやいや！あれは自由も悪いよ、何も言わずにあんなことされたら俺だってびっくりするよ」

「神谷さんは全部知ってたんですね」

「俺は相手の女優が結婚して子供いるのも知ってたし・・・黙ってたみたいでごめんね」

「いいえ、本人の口から聞けてよかったです」


「遊びなんかじゃないって言ったでしょ？」と言って神谷さんは嬉しそうに微笑んだ。
私もつられて顔が緩んで、「さすが神谷さんですね」と返した。

話題は近況へ。


「最近あいつ忙しそうだね。会えてる？」

「いいえ。先週会って、次会えるのは一週間後なんです」

「一緒に住めばいいのに・・・って、未成年はさすがにまずいか」

「そう、ですね・・・」


なんとなく、この間入野さんが私の家に泊まった時の激しいキスを思い出して、勝手に赤くなってしまった。

その様子を見た神谷さんは、ニヤニヤしながら私を揶揄い始める。


「ん？何？自由に何されたの？」

「べ、別に何も・・・！」

「ふうん、お熱いようで何より」

「だから何もありませんってば、！」

「あはは、ほんとかなぁ」


そう笑う神谷さんは本当の兄のようで。

兄弟がいない私にとっては、父親でも彼氏でもない異性とのこんな何気ない会話が、とても嬉しく感じる。


一段落着いたところで、神谷さんはそろそろ次の現場に向かう時間だと言い席を立つ。

今日こそはとちゃんと自分の分のお金を支払い、カフェを後にした。


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