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とりあえず部屋の端っこまで来た。侑と。
本当は桃江が隣に居るはずだったのに侑が居る。
｢俺が捕まえたかったんやけどなぁ。捕まってしもた〜しゃーないなぁ｣
何しよか？なんて隣に座る彼は楽しそうに私の顔を覗き込む。
『何もしない』
｢ぎゅーでもちゅーでもしたるで、いくらでも｣
『しません。一緒に休憩しよ』
侑、全然息切れてないけどね。さすがだよ…
体力おばけ羨ましい…
｢ほんならここ来る？｣
トントン、と自分の前の床を叩く彼。
あ…それはちょっといいかも、壁固くて背中痛かったし、なんて思って誘惑に負けてしまった。
『…行く』
｢えっ、あ、まじで｣
断られると思っていた侑は
急なAのデレに戸惑った
侑の両足の間にすっぽり収まったAは
体を横向きにして体操座りで彼に寄りかかる。
｢待って、A、ちょぉ待って、｣
『なに？今めっちゃ落ち着いてるんだけど』
｢…あ、そうなんや、そうか、｣
『さっきの威勢どこいったの』
｢それは……、いや待て！こっち見んといて！！｣
Aが侑を見上げようとした瞬間
赤くなった顔を見られないよう彼は彼女の頭を軽く掴んで抑えた。
『なに！ちょっと！！』
｢ええから！！｣
顔を上げようとすると
それを阻止するように抱き締められ、私の頭の上に
彼の頭が乗る。
『うわぁ今めっちゃベスポジ…』
｢そら良かったっす｣
『このまま動かないで』
｢…おん｣
『あと残り何分だろ』
｢30秒くらいちゃうか｣
『あー。あっという間だぁ』
疲れというものは怖い。
いつもならこんな体制、抜け出す事で頭いっぱいになるのに
今は心地よくて仕方ない。
ただ、抱き締める力は弱めてちょっと欲しいかな。
だんだんと力が強くなってるのは気のせいじゃないよねこれ。
｢離しとうないな｣
ボソッと呟いた彼の声は、弱々しかった。
『あっ30秒経った。ありがと侑。じゃ！』
｢…ただの俺得でしかなかったわ｣
･
『うわっA子とB美めっちゃ怖い顔して追いかけてきてる…やだぁぁあ！』
捕まったら絶対殴られるやつだやばい。
追い掛けっ子 残り時間5分
私は必死に走り、女子2人から逃げ切って
今回のお題は終了し無事脱出できた
だけど、学校行くのが怖いやつだ。
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作者名：rae | 作成日時：2021年8月1日 22時
