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『…あたし?』
飴村乱数と同じ遺伝子?細胞?
クローンであるあたし達が何者であるかの話なのだろうが、矛先は全く分からない。
無花果「そうか」
東雲「はい、見た目もより飴村乱数に近い遺伝子かと思われます」
無花果「あの失敗作も、そろそろ役に立つ頃か……
よし、ではNo.0317を含め生き残った他5体の調整をし、来週までにはNo.0317を外の世界に出せるよう務めろ。
他の5体も精神向上に加え、いつでも使えるよう準備に取り掛かれ」
東雲「かしこましました」
無花果「では、よい報告を待っているぞ」
マスターは丁寧にお辞儀をし、無花果さんを見送った。
振り返ったマスターは、あたし達を見て目を見開いた。
恐らく、七魅達を含めた5人のクローン達は、マスターを酷く睨んでいたのだろう。今までのようにマスターを見ることが出来ないのだ。
睦美や七魅、
No.0214とNo.0038、No.0501と番号が書かれた子達も、冷たい視線を送っていた。
七魅「……ねぇ、どういうことか説明してくれる?」
「そ、そうよ」
「…ジッケンって?あのオンナのヒトは?」
マスターは困ったように笑った。
東雲「……そうだね、全部説明しないとだね」
『……その前に、ひとつ聞いてもいい?』
東雲「…何だい?」
『……飴村乱数って、誰?』
マスターは息を吸うと、ひとつひとつ話し始めた。
東雲「君達は、飴村乱数の遺伝子を使って作られたクローン達。その飴村乱数もまた、君達と同じクローンだよ」
睦美「…は?」
東雲「まぁ、その反応が妥当だよね。
飴村乱数は、真性ヒプノシスマイクを使うために本来は作られた人間だ。
真性ヒプノシスマイクは、感情を抑制し精神を増幅させた人間でなければ扱えない代物だからね。
普通の人間では、扱えるようになる前に精神を削られ身を滅ぼすことになる……」
七魅「その飴村乱数から、七魅達が作られたわけ?」
それを聞いたマスターは悲しそうに呟いた。
東雲「……いや、その"飴村乱数"は精神を増幅させることに失敗したんだ」
『……失敗した?』
東雲「本来感情を持ってはいけないよう作られるはずだった。けれど持ってしまった」
七魅「だから失敗作なんて言われてんの?」
東雲「そうだね……」
これから進む話は、余りにも悲しい話の様な気がした……
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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!! (2020年5月31日 11時) (レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話!!感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます!!!頑張ってください(*´∀`*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら海 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/
作成日時:2020年3月2日 12時