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それから、一週間が経った頃、軍服のような服を着たベージュの髪を一束にした女の人がやってきた。





女「どうだ、調子の方は」


東雲「…!!これはこれは、行政管理局局長、勘解由小路無花果様」



東雲さんは、無花果という女の人に気がつくと、素早く立ち上がり右手を胸に当て丁寧なお辞儀をした。


無花果さんは鼻で笑うと、あたしに視線を撮した。




無花果「そこの娘か」

東雲「はい、現段階では順調であります。

"飴村乱数"から採取した細胞を使い、より鮮明な精神に近づけて、今はほぼ人間と同じ精神干渉ができるかと思います。



No.0317は知識を取り込むのも早い為、今では普通の日常生活が送れる程度にはなっているかと思われます」






"飴村乱数"



今までの生活の中で、何度か耳にした名前だった。
あたしは首を傾げるも、東雲さんと無花果さんの会話は続いた。




無花果「それは結構な事だな。…でほ、そろそろ、あの実験に移れ」


東雲「えっ…で、ですが、今の段階では万全ではありません!

他のNo.達もまだ検査が修了しただけです。今"それ"を使った実験をしてしまえば、何人生き残れるかわかりません…!」

無花果「我々の命令が聞けぬということか??」

東雲「い、いえ…そう言う訳では……」




無花果さんの見えない圧力により、東雲さんは頭を下げ言葉を濁す。あたしもその威圧を感じた。

よく分からないが、この人は男だけじゃない……私のことも嫌いだって察した。




東雲さんは私をちらりと見る。
そして小さく深呼吸をしたあと、口を動かし始めた。





東雲「…わかりました。

No.0317

No.0623

No.0773


その他50体のクローンの診断を修了し次第、すぐに"ヒプノシスマイク"を使った実験に移ります……」


無花果「それでいい、その娘も、他のクローン達も、我々言の葉党に所有権があるのだから、権限があるのも我々だ」





そう言うと、無花果さんは靴を返しながら、元来た道を帰っていった。






そこで、あたしはとある疑問が生まれた。







『クローンは、あたしだけじゃ、ない…?』





あたしが見た東雲の顔は、とても見にくく歪んでいるように思えてしまった……_____

▽→←過去の話をしよう…



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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!! (2020年5月31日 11時) (レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話!!感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます!!!頑張ってください(*´∀`*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら海 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/  
作成日時:2020年3月2日 12時

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