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『……完成って』
東雲「君のアビリティは、
"近くにいる者の感情を増幅させ、ヒプノシスマイクの効果を高める"ことだ」
『……感情の、増幅？』
東雲「つまりは、仲間のアビリティ向上に向いたスキル。これを完璧にすれば俺はアイツらに対抗出来る」
『…貴方は私を"魅奈"として完全なものにするために、姉妹達の記憶を……？』
東雲「ほう……もう既に気がついていたか…
そう、姉妹達のアビリティは君と同じ。
そして俺のラップアビリティは洗脳。
掛け合わせれば、相乗効果により女共に洗脳することだって可能になるはずだ」
『…納得できない……もし洗脳がしたいのなら、私に姉妹の記憶がない方が都合のいいはず』
東雲「違うんだよ、魅奈」
＿＿＿＿＿君は、姉妹がいるから完全なんだ。
『…は？』
東雲「君のスキルは、仲間のアビリティ向上。
つまり………悲しみも恨みも絶望も、姉妹によって構成される」
その瞬間、私の脳裏に激しい憎しみの感情が溢れ出し、猛烈な痛みが走った。
『…ｱ゛ｯ…!!…ｸﾞｯ』
東雲「そう、君はそれでいいのだ……
悲しみのゆくまま、俺の為に((『…嫌だ』
はっ？」
私は痛む頭を抑えながら、ゆっくりと立ち上がる。
『絶対に嫌だ、私の妹達が私の中を流れているなら尚更、私は皆を守らなきゃ…
私はみんなのお姉ちゃんだから……』
自分の中に流れる血に、彼女らの想いもあるのなら、私は生きなきゃいけない。
妹達の為に…乱数の為に……
東雲「…矢張り、あの時から君を外に出すべきじゃなかった」
『…えっ？』
東雲「遺伝子異常で、君の肺と気管支は今急速に成長している。
言うなれば老化だ。
つまり、君の肺は近いうちにすぐボロになるだろう」
『…それって』
東雲「君は俺の生命維持であるラップを聴けなくなると、そのまま消える」
その言葉に示されているのは『ﾀﾋ』。
私は、このままでは……
『……それでも、運命だと受け入れるよ。私のできる最大の足掻き。
自分の最期は自分で決める。それが自我をもった私の使命だから』
真っ直ぐと交わる、私と東雲の目。
東雲は、大袈裟に溜息をこぼした。
東雲「……そうかい、他に何か言いたいことは？」
『……無い』
東雲「……残念だよ、君ならわかってくれると思ったのだが」
その瞬間、マスターは何かのスイッチを押した。
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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます！！！頑張ります！！！ (2020年5月31日 11時) (
レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話！！感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます！！！頑張ってください(*´∀｀*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら海 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/
作成日時：2020年3月2日 12時
