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side乱数
いや、普通に最悪だ。
言の葉党に(主に無花果)話があり、会いに行って話が終わった帰り……
偽乱数1「あっれ〜?誰かと思えば失敗作じゃん!」
偽乱数2「おっひさ〜☆」
目の前には、俺よりも後に作られたクローンが立っていた。
偽1「あれあれ?なんか不機嫌なのかな?」
乱数「誰のせいで…」
偽2「ボクよくわかんなーい」
乱数「チッ…」
俺はこれ以上絡まれるのが面倒くさかったため、無視して通り過ぎようとしたときだ…
偽1「……どーして、奴らはお前に執着するんだ」
乱数「…は?」
偽2「ボクらの方が完成品に近いのに、どーして言の葉党はお前なんかに指示を出すのかなって」
偽1「ねぇ、ラップすれば分かるかな?」
そう口にした2人は、ヒプノシスマイクを取り出した。
乱数「…!?ここでバトルする気か?奴らに知られたら」
偽1「そしたらお前のせいにするから問題ないよ?」
偽2「そーそー、失敗作のゆーことなんて、だーれも信じないし」
そういって、クローンはニヤニヤと笑いながらマイクを回して遊ぶ。
そんな姿にイラつき、俺もマイクを出そうとする。
だが、あいつの言葉を思い出した。
_______"『……あたしの身がどうなろうと、言の葉党の奴らにとっては都合のいい駒でしかない。
どんなに感情を持ってたって、逆らおうとしたって、あたしに残されてる道は、やつらの"所有物"として数少ない人生を歩む道だけ。
それ以外の選択肢を、あたしは知らない……
じゃあ、貴方なら…?
……同じクローンとして、何か思い浮かぶことはあるの?』"
あぁ、そうだ……
そうだった…
……俺らの使命は奴らに尽くすこと、それ以外の生き方を俺らは知らない。
…こいつらもそうだ。
乱数「…悲しい奴らだな」
偽1「…はぁ?」
乱数「ラップでしか、自分の存在を証明できない。
本当に、悲しい奴らだ」
……こんなの、自分自身にも言える話だ。
あぁ、そうだよ魅奈。
俺らは悲しい存在なんだ。
俺も、お前も……
生き方を知らず成長することが出来ない、偽物の悲しい生き物だ______
癪に障ったのか、クローンは顔を歪ませた。
偽1「…ッ、失敗作の癖に!!!」
偽2「お前なんかより、ボクらの方が優秀であることを見せつけてやる…!!」
そう言ってマイクを起動させたクローン。
俺はマイクを出さずただ立っていた。
そんな時、ひとつの人影が俺の前に立ち塞がった。
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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!! (2020年5月31日 11時) (レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話!!感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます!!!頑張ってください(*´∀`*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら海 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/
作成日時:2020年3月2日 12時