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…簡潔に言えば、迷子になった。
電車に乗るのに憧れ、目的も無しに乗り込んでいたら知らない場所にたどり着いてしまった。
場所的には都内らしいが……
そして見事に自分のいる所がわからなくなった。
『…どうしよう』
あたしは、携帯を開く、閉じるを繰り返していた。
画面には[飴村さん]と書かれている。
数ヶ月前に、ぺラッと渡されたものを一応登録しておいた。
……連絡してもいいものなのか。
考え込んでいると、いつの間にか路地へと入っていた。
男「…あっれ〜?女の子がこんな所で何やってるの?」
男「え、ちっせー小学生じゃね?」
振り返ると、男5人組がニヤニヤしながら立っていた。
『…だれ?』
男「うわ、しかもめっちゃ可愛ええやん」
男「迷子じゃね?」
男「…ねぇ、君名前は?」
男のひとりに名前を聞かれるも、あたしは黙ることしか出来ない。
ここでコードネームを話すのとも気が引ける。
男「…あれ?君喋れないの?」
『……別に、貴方達に関係ない』
男「おぉ喋った」
男「君もしかして、成人済み?」
『…それが?』
…こう見えて、歳は20だ。
まぁあたし達の元となる人間の歳のようだが…
これに嘘は無いので正直に話す。
すると、より一層男たちはニヤニヤとし始めた。
男「ならちょーどいいや」
『ちょうどいい?』
男「俺らさっきまで喧嘩しててよ、ちょっとむしゃくしゃしてるんだわ」
男「気晴らしに、大人の遊びをするのも悪かねぇだろ?」
男「…てことで、大人しく着いてきてもらえる?」
呑気にそんなこと言ってる男達に、あたしは笑みを浮かべた。
男「何笑ってやがる!」
『だって、貴方達があまりにも呑気に考えてるから』
男「あぁ?」
『まぁ、どーでもいいけど』
男『てめぇ、舐めた口聞いてると……』
そう言って一人があたしの腕を掴んだその時……
??「どーなるか、教えろよ」
??「ヒャッヒャッ、"非道的主観者、来世にも幸あらず"ってな」
気がつくとそこには、学ランを着たオッドアイの男の子と、赤髪の男の子が立っていた。
男「…あ"ぁ?…っておい」
男「コイツら…!!」
??「テメェら、まだ懲りてねぇのかよ…なぁ、空却」
空却「ヘッ、不届き者には成敗をってな…一郎」
一郎「また、タイマン勝負か?」
そう言って、一郎と呼ばれていた子達は、手をポキポキと鳴らしていた。
その腕には、2人とも赤いバンダナをしていた。
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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!! (2020年5月31日 11時) (レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話!!感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます!!!頑張ってください(*´∀`*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら海 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/
作成日時:2020年3月2日 12時