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それから、これといって何かがあった訳じゃなく、ただ時が流れて言った。
何かあったとすれば、一度あたしが渋谷で迷子になったことくらいだ。
それ以外は何も無く、定期検診も実験も怠ることなく、3ヶ月が経った。
初めて見たものも見慣れてきて、現在の街にどんな問題があるのかも見えてきて、物事に関して自分がどんな感情を抱いているのかも、段々と分かってきた。
けれど、乱数さんとあたしの間には、まだ大きな壁があったままだ。
そんな日々にもなれた頃、定期検診と実験の為、あたし達は中央区へと向かっていた。
乱数「…ミーナって、何で魅奈って呼ばれてるの?」
『……あたしのコードNo.から取ってるみたいです』
乱数「0317ってやつ?」
『…まぁ、そうですね』
乱数「…ふーん」
何故それを聞いてきたのかは分からないが、それ以上乱数さんが話を進めることは無かった。
そして、いつもの様に、中央区の研究所の中へと入っていった。
東雲「やあ、時間通りだね。じゃあ始めようか」
乱数「じゃ、僕は外にいるね!」
東雲「あぁ、待って」
乱数「…??」
東雲「博士の提案でね…キミも、魅奈の実験を見ていかないかい?」
乱数「…えっ?」
あたしはそのまま、マスターに実験室へと連れていかれた。
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side乱数
僕は東雲(博士?)の提案で、ミーナの実験を見ることになった。
実際、ミーナの実験を見たことがなく、どんな実験を受けているのかは気になっていた。
ミーナは、椅子に座ると、ベルトのようなもので身動きを封じられた。
乱数「え…ここまでするの?」
東雲「…」
東雲は何も言わずに、ただ黙々と作業を続けた。
僕らとミーナの座る椅子はガラスで隔てられ、僕はガラスに手を当てただ眺めるだけだった。
東雲「…では、始めよう」
すると、ミーナのいる部屋の天井四隅にスピーカーが現れた。
東雲の持つマイクが起動すると、それに連動するかのように、スピーカーからビートが流れる。
乱数「…!!…まさかッ!!」
東雲は、そのマイクにラップを乗せた…
____途端に、椅子に固定されたミーナは暴れだした。
『…あがッ!!…や、嫌だ!!…もう嫌だ!!!!』
五体を激しく動かすミーナは、今まで見た中で一番醜く……
一番人間らしかった……。
…すると突然、ミーナはピクリとも動かなくなった。
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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!! (2020年5月31日 11時) (レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話!!感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます!!!頑張ってください(*´∀`*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら海 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/
作成日時:2020年3月2日 12時