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side乱数
乱数「……クソッ、あの女」
俺は、先程言われた言葉を思い出した……
_____無花果「……失敗作のお前も、やっと役に立つ時が来たな。漸くその不必要な感情を活かすときだ」
乱数「…俺は失敗作じゃねぇ、見てろよ」
まずは、例の女を利用して、中王区が何を考えているか探らなければ……
俺は病院の廊下の壁にもたれながら飴を舐めていた。
乱数「……まだ、タヒぬ訳には行かない」
すると、廊下の向こうから、ピンク色の髪を揺らした女と、白衣を着た眼鏡の男があるいてきた。
僕はいつもの笑顔を作り、手を振って呼びかけた。
乱数「…オネーサーン!こっちだよ!」
2人はこちらに気が付き、すぐ側まで近づいてきた。
東雲「君が飴村乱数君だね。僕は彼女等のマスターの東雲だよ」
乱数「こんにちわ!飴村乱数です!…ええっと、ミーナちゃんだっけ?」
いつものようにニコニコしながら話しかける。
けれど、魅奈という女は、表情を変えずに淡々としていた。
『……よろしく、お願いします』
その目には光がなく、何か違和感を感じた。
東雲「…じゃあ、これからの事はよろしくね」
乱数「もっちろーん!あとは任せてね!」
東雲「…じゃあ、魅奈、後のことは彼に頼りなさい」
『…はい、マスター』
東雲「…では飴村君、週に一回の定期検査と実験、月一の現状報告と日常管理は任せたよ」
乱数「はいはーい!」
「では…」と、東雲という男は来た道を戻って行った。
残ったのは僕とミーナちゃんだけ。
乱数「じゃあ、行こっか!」
『…はい』
それから中王区を出て、家に向かうことになった。
乱数「これから一緒に住むことになるけど、良いかな?」
『……指示なら』
乱数「んー…指示ってゆーか……」
ミーナは表情を一切動かさず、まるで人形みたいだった。こんな女が本当に最高傑作と言われるほどのクローンなのかな不思議な程に……
僕はミーナの腕を掴んだ。
僕の行動に驚いたのか、ミーナは目を見開いた。
『……あ、あの、何か?』
乱数「ふふふっ、家に帰る前に、ちょっと寄り道しない?」
『……えっ?』
僕はそのままミーナの腕を引き、とある場所に向かうため走り出した。
『…えっ、あ、ちょ、良いんですか?』
乱数「いーのいーの!」
しばらく走って、ようやく着いた場所は、原宿の竹下通りだった。
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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!! (2020年5月31日 11時) (レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話!!感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます!!!頑張ってください(*´∀`*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら海 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/
作成日時:2020年3月2日 12時