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博士「困るのよ、それ以上お喋りを続ければ、君だけではなく彼女らも消さねばならない…」
博士と呼ばれた赤髪の女は、喋りながら前に出てこちらに向かって来た。
東雲「……あの事は、話していませんよ?」
『…あの事?』
赤髪の女は目を閉じて、気味の悪そうに笑った。
博士「それでも、よ。
その優秀な脳みそを見込んで、中王区は小汚い貴方のよつな"男"を仕方なく使ったのに、意味が無くなってしまうわ。
彼女らは道具の一つに過ぎない。あの彼のように……
本来、不必要な感情を与えている意味を、何か履き違えてない?」
東雲「……彼女らは自我を持つ人間と同等です。中王区としても、女性の味方が着くのは有難いことなのでは無いんですか?」
博士「そうね、見た目は女だものね……でも__」
赤髪の女は、冷たい目で言い放った。
博士「所詮は作り物よ」
その目には光がなく、あたし達は怯んでしまった。
博士「言の葉党党首様からの伝言よ。
明日、"あの"装置がとどくわ。企画通りに、ね」
東雲「もう、ですか?…流石に早すぎるかと…彼女らは今日、ヒプノシスマイクの効果を実体験したのですよ?」
博士「あら、何か勘違いしてない?我々は、『やって欲しい』とお願いしている訳では無いのよ?」
赤髪の女は、マスターの襟を掴んでグッと顔を近づけた。
博士「……やれって言ってるんだ。反論は認めない」
あまりの声の低さと言葉に、マスターは目を見開いた。
パッと手を離した赤髪の女は、こちらに顔を向けると、ヒールを鳴らしながら近づいてきた。
あたし達は数歩下がり、身を縮めた。
博士「……No.0317ってのはどれ?」
『…あたしだけど』
博士「ふーん、」
『な、なによ』
博士「流石クローンね、あの失敗作にそっくり
____ま、他の5つは失敗したようだけど」
その言葉で、あたしの何かが切れた。
『何よその言い方!勝手にあたし達を作って、勝手に研究してるのはあなた達じゃない!』
博士「…」
『お前達の言う完成品を作るのは勝手よ!
でもあたし達を作っておいて、物として扱うことにはどうしても納得できない。あたし達は、自我を持って感情豊かであることが目的なんでしょ?ならあたし達はどれも完成品よ!』
あたしは一息で言い、荒んだ息を整える。
全て静かに聞いていた博士は、一言だけ呟いた。
博士「…あなたは分かってないわ」
『…え?』
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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!! (2020年5月31日 11時) (レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話!!感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます!!!頑張ってください(*´∀`*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら海 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/
作成日時:2020年3月2日 12時