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【番外編】賭博の心得 ページ49

※大分ネタに走ってる。
※狡猾で残酷なAさんはいない。
※いるのは愉快なお兄さんA先輩
※Aさん推し増えて。




「また来たのか」


やって来た少女を見て、Aは盛大に顔を歪めた。
茶色に染められた髪に、ストロベリームーンの様な瞳。その佇まいは今にも消えてしまいそうな儚さを漂わせているが彼女の気の強さをAは知っている。

Aは溜め息を吐きながら、ゆっくりとAに歩み寄る。


「今日は札遊戯だ」


AはトランプをシャッフルするとAは嬉しそうに口許を緩ませる。


「A先輩」


何度もやめろと云っているのにその奇妙な呼び方を変えることはない。少し意地悪したくなったAは「これは武装探偵社への裏切りなのでは?」と嘲笑う。敵組織の幹部と二人でギャンブル、なんて、裏切り以外の何物でもない。しかし、Aは気にした風もなくじっと手札を見つめていた。


「確かに、探偵社の敵はマフィアですが私の敵はA先輩ではありませんから」


長く細い睫毛の奥でAの深紅の瞳が眩い煌めきを放っている。ああ、面倒臭い。理屈にもなってない理屈だ。それにこれも探偵社員にとっては、失言なのではないか。


「ロイヤルストレートフラッシュです、先輩。私の勝ちです」

「……」


Aは手札を台に投げ出す。
今のはAの本領ではない、ただ一寸、少し、Aにペースを乱されていた。それだけ。


「君、意外と女賭博師(ギャンブラー)なんてのも向いてそうだな」

「女賭博師……なんているのですか?」

「当たり前だろう。強い女賭博師にも会ったことがある。……そうだな、あれは確か高校生……」

「高校生で賭博師なのですか!?」

「ああ。確か「賭け狂いましょう!!」と云っていたな。あれほど見事に賭け狂った女を私は初めて見た」


名はなんと云っただろうか。
中々個性的な名前だった記憶がある。

世の中って広いのですねえ、と感嘆の息を吐くAがどうにも可笑しくて、思わず鼻で笑った。


「おい、歩く失言」

「待ってください、歩く失言とは」

「貴様の事だが?」

「私、そんなに失言多いですか!?」


多いだろう。
初対面でとんでもない失言を放ったことをAはまだ覚えている。あれ以降Aの部下達の間では「呼吸する失言少女」と呼ばれていることを知らないのだろうか。


「まぁもう良いです……A先輩、遊びましょう!」


ああ、これもすべて七竈Aの異能の所為だ。




**

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黒灰白有無%(プロフ) - 試しにと思い読んでみたら迚も面白かったです!!賭ケ/グ/ル/イは少々爆笑 Aが割と多く出て来るのは珍しいですね。凄く良い話だったので其の儘続編も楽しませて頂きます!! (9月8日 3時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
そよそよ - A''''わずか一話で死んだのにいいキャラだった (2023年4月14日 18時) (レス) id: 28bb2962c4 (このIDを非表示/違反報告)
モモンガ←? - すっごくこの作品大好きで何回も読んでます!!七竈ちゃん可愛くて大好きです!!!!!! (2022年8月25日 13時) (レス) id: e4f6a8b567 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン - Aはいいキャラしてるんだよなぁ (2022年1月4日 8時) (レス) @page50 id: 168fc3a64e (このIDを非表示/違反報告)
neko - 太宰さん…。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんず | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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