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17、目が眩むほどの美しさ ページ17

××



カーテンから差し込む眩い光で、僕は目を覚ました。室内にいて、早朝点呼や起床喇叭(きしょうらっぱ)がない清々しい朝を迎えるなんて人生初めてだ。


「っていうか……ここ、どこ」


薄い蒲団に小さな台所、そこはどう見ても僕のいた孤児院じゃない。まだ朦朧とした意識の中、僕は周りを見る。ふと、隣に視線を向け言葉を失う。


「Aちゃん……!?」


Aちゃんが眠っていた。
長い睫毛、白い喉元、乱れたブラウスから覗く繊細な鎖骨。寝惚けている頭を覚めさせるにはそれらは十分すぎた。

思わずガン見していると、Aちゃんの水晶玉みたいに透き通った大きな瞳がゆっくりと開かれた。僕は見ていたことを勘づかれないよう、慌て視線を逸らす。


「おはようございます、中島先輩」

「おおおっおはよう!!」


盛大に噛んだ。
Aちゃんは特に気にしていないようでカーテンから見える外の景色を見ている。


「昨夜の出来事は……夢ではなかったのですね。未だに信じ難い」

「……僕も」


二人して暫く呆けていると、電話が鳴った。
僕の枕元に衣服と一台の携帯電話が置かれていた。がむしゃらに釦を操作していると、太宰さんの声が聞こえてきた。Aちゃんは自分の枕元に置かれていた衣服を抱え、立ち上がる。恐らく着替えに行くんだろう。


「敦くん、新しい下宿寮はどうだい?善く眠れた?Aちゃんと変なことしてない?一夜の過ちを……」

「してませんよ!」

「それは好かった。ところで、頼みが有るのだが」


「───助けて死にそう」


この電話、切っちゃ駄目かな。

本当は切りたくてしょうがなかったが、この部屋を用意してくれた恩人を無下にすることも出来ず「着替えたら行きます」と了承してしまった。


「Aちゃん……今から太宰さんを助けに、」


後ろを振り向いた瞬間、僕の思考は一時的に停止した。白いブラウスに首元にネクタイ、サスペンダーのついた黒色のスカート。滑らかな白い足を強調する靴下。いつもの制服姿も可愛らしいけど、今日のAちゃんは一段と綺麗だった。


「どうしたのです、先輩」

「かっ……かわっ……」


可愛いね、なんて本人を目の前にして云える度胸があるわけがなく、僕はただ顔を真っ赤にして下を向く。Aちゃんは少し笑うと、僕の枕元に置いてあった衣服を持った。


「中島先輩も、着てください」



**

18、時は短し、走れよ少女→←16、帰り道は閉ざされた



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黒灰白有無%(プロフ) - 試しにと思い読んでみたら迚も面白かったです!!賭ケ/グ/ル/イは少々爆笑 Aが割と多く出て来るのは珍しいですね。凄く良い話だったので其の儘続編も楽しませて頂きます!! (9月8日 3時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
そよそよ - A''''わずか一話で死んだのにいいキャラだった (2023年4月14日 18時) (レス) id: 28bb2962c4 (このIDを非表示/違反報告)
モモンガ←? - すっごくこの作品大好きで何回も読んでます!!七竈ちゃん可愛くて大好きです!!!!!! (2022年8月25日 13時) (レス) id: e4f6a8b567 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン - Aはいいキャラしてるんだよなぁ (2022年1月4日 8時) (レス) @page50 id: 168fc3a64e (このIDを非表示/違反報告)
neko - 太宰さん…。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんず | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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