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26、賢治後輩とナオミ少女 ページ26

××



中島先輩には、居場所が見つかった。
武装探偵社という、頼もしく素敵な居場所が。


国木田先輩と談笑している中島先輩を見ながら、私は床に転がっていた本を拾い上げる。「どうしたんですか?」と声をかけられ、そっと顔を上げた。


「なんだか暗い顔してましたよ!」


賢治後輩は意外と鋭いひとだなあと思う。
鋭い、というよりもただ純粋に人の表情の変化に敏感なのかもしれない。そういえば賢治後輩も異能を持っているのだろうか。


「そういえば小娘、これからお前はどうするんだ」


唐突に、国木田先輩が私に話を振ってきたので社の人間の視線が一斉に私に集まる。どうする、って?私が頭の中に"?"マークを浮かべていると、国木田はこめかみを押さえた。


「小僧は一応社の試験に合格したが、お前はそもそも入社試験を受けていないだろう。……どうするんだ?」

「……」


どうする、と云われても。
私はまだ探偵社員になると腹を括ったわけではなかった。中島先輩が勿論入るよね?と云わんばかりの熱い視線を送ってくるので言葉に詰まる。


 「事務員が良いと思いますわ!」


低いわけでも、かといって高すぎるわけでもない心地良い少女の声が響いた。入口を見ると私と同年代であろう少女が立っていた。濡羽色の髪にきめ細やかな白い肌、セーラー服を着ているにも関わらず何処か色香の漂う美少女は麗しく微笑んだ。


「……ナオミ、アンタ出てきて大丈夫なのかい?」

「心配ご無用ですわ、与謝野女医(せんせい)


ナオミと呼ばれた美少女は私に視線を向けながら、事務員が良いと思います、と再び云う。


「……事務員、か。それは良い案かもしれんな。社長に提案しておく」

「はい!」


とんとん拍子で話が進んでいき、もうどうにでもなれと思った。


「自己紹介がまだでしたわね!谷崎ナオミ。ナオミと呼んでください」

「あ、私は七竈Aと申します。宜しくお願いします」

「……話し込み中悪いが、そうと決まればお前も小僧と一緒に乱歩さんのお供としてついて行け」

「え?」


……あぁ、そういえば先程"名探偵の仕事に行く"と云っていたからそういうことなのだろう。お供ということは探偵助手というわけですか?と問えば江戸川先輩はそんなの不必要だよとクスリと笑った。


「……では、何故?」



 「僕、列車の乗り方判んないから」



**

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黒灰白有無%(プロフ) - 試しにと思い読んでみたら迚も面白かったです!!賭ケ/グ/ル/イは少々爆笑 Aが割と多く出て来るのは珍しいですね。凄く良い話だったので其の儘続編も楽しませて頂きます!! (9月8日 3時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
そよそよ - A''''わずか一話で死んだのにいいキャラだった (2023年4月14日 18時) (レス) id: 28bb2962c4 (このIDを非表示/違反報告)
モモンガ←? - すっごくこの作品大好きで何回も読んでます!!七竈ちゃん可愛くて大好きです!!!!!! (2022年8月25日 13時) (レス) id: e4f6a8b567 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン - Aはいいキャラしてるんだよなぁ (2022年1月4日 8時) (レス) @page50 id: 168fc3a64e (このIDを非表示/違反報告)
neko - 太宰さん…。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんず | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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