明朝、朝陽が射す方へ (ページ25)

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宮近｢うーん…｣
七五三掛｢何1人で唸ってるの？｣
宮近｢あ、しめ｣
その日の昼、境内の縁側で1人座りながら朝の川島の様子を考えていると、後ろから七五三掛が声をかけてきた。

宮近｢如恵留がさ、靄増えたなぁって｣
七五三掛｢また？｣
宮近｢うん…靄食べようか？って聞いても話聞くって言っても、大丈夫だって言うし｣
七五三掛｢…本当如恵留って人に頼んないね｣
宮近｢神にも頼んないんだよ？｣

いつの間にか隣に座っていた七五三掛が、御神木の傍で吉澤と話している川島を眺めながら呆れたように呟く。
宮近｢何でなんだろう…｣
七五三掛｢どうせちゃかに迷惑かけたくない～みんなに迷惑かけたくない～でしょ｣

宮近｢…俺、そんな頼んないかな｣
七五三掛｢あの自己犠牲馬鹿が無理してるだけだよ｣
宮近｢めちゃくちゃ辛辣じゃん｣
七五三掛｢当たり前でしょ。自己犠牲の成れの果てなんて碌なもんじゃない｣
宮近｢…何かあったの？｣

七五三掛があまりにも断定的に、少し怒り混じりに言うものだから少し心配になってきた。
そう聞いてみると、七五三掛は｢…別に｣とそっぽを向く。
生前の事だろうか、七五三掛は全部覚えていたはずだから。

宮近｢…何か、変な事聞いちゃったんならごめんね｣
七五三掛｢何でちゃかが謝るの？｣
宮近｢え、だってしめ、明らかに不機嫌そうだったし…｣
七五三掛｢…本当、何でもかんでも自分の所為にし過ぎ。如恵留もちゃかも似たもの同士だよ｣
宮近｢俺が？如恵留と？｣
七五三掛｢自覚がないところもね！｣

半分呆れ半分怒りのような言葉を吐くと、七五三掛は立ち上がってどこかへと行ってしまった。
宮近は｢…似たもの同士なのかな｣と呟きながら、ｼｬｰ!と声をあげる白蛇様を宥めた。